入居ゼロ5年超の団地が移住者の聖地に大化けしたワケ
入居ゼロ5年超の団地が移住者の聖地に

長野県佐久市にある築30年の団地が、5年以上入居希望がゼロという「ガラ空き」状態から、移住者の聖地と呼ばれるまでに再生した。その背景には、国の地方創生施策「生涯活躍のまち」の流れを受けつつ、全世代型の移住住宅へと方針転換した経緯がある。

当初は50歳以上対象、コロナ禍で方針転換

この団地再生の構想は、国が進める「生涯活躍のまち」構想に端を発する。健康なうちに地方へ移り住み、医療や介護とつながりながら暮らすという考え方で、佐久市では「医療連携・健康づくり推進型」として検討が進められた。そのため、構想段階では50歳以上の移住者が想定されていた。

しかし、構想の具体化と前後して前提は変わった。国の「生涯活躍のまち」の考え方が中高年齢中心から全世代型へと広がった。さらに、2019年の台風19号や翌年からのコロナ禍も重なり、入居募集は難航したという。

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方針は年代で区切らない移住者向け住宅へと変わり、2021年3月に「ホシノマチ団地」がスタートした。

「団地はごっそり16室空いている状態」

「移住者が団地に住むのか」という不安があったと語るのは、「みんなのまちづくり」の牧原一樹さん。牧原さんは団地管理スタッフであり、第1号の入居者でもある。夫婦で移り住み、誰もいない住棟でポツンと暮らし始めた。

「まずは8室から始め、半年で6室を埋めなければプロジェクトは中止になる、という条件のもと始まりました」と牧原さんは振り返る。

働く世代からの問い合わせが相次ぐ

牧原さん夫妻の暮らしぶりや団地の魅力が口コミで広がり、地方での暮らしを考える働く世代からの問い合わせが相次いだ。現在では入居者が増え、子育て世代の「教育移住者」も増加している。団地内にはコミュニティスペースが設けられ、移住者同士の交流も活発だ。

ホシノマチ団地の成功は、単なる空き室対策にとどまらず、地方創生の新たなモデルとして注目を集めている。

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