ベセント米財務長官と中国の何立峰副首相は20日、ニューヨークで会談し、人工知能(AI)に関する対話枠組みの創設について協議した。ベセント氏は会談後、AIを巡って安全保障に関わる事案などが生じた場合に相互に通知し合う制度の導入を中国側に提案したことを明らかにした。
「有意義な協議」と米財務長官
ベセント氏は会談後の記者団取材で「貿易とAIに関して中国側と実に有意義な協議をした」と述べた。また、AIで「共通の目標や脅威に関する認識を(米中で)共有したいと考えている」と説明。「米中AI対話」と呼ぶ協議枠組みの創設について、再び会談することで合意したと語った。
通知制度の提案について、ベセント氏はAIに関連して生じる事案で「安全保障レベルに発展するようなケース」を念頭に置いていると説明した。
関税引き下げと首脳会談
会談に参加した米通商代表部(USTR)のグリア代表は、既に米中が合意した300億ドル(約4兆7000億円)規模の物品の関税引き下げについて、双方が対象とする品目は安全保障上重要ではないものだと説明した。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は24日にホワイトハウスで会談する予定。習氏の訪米は、バイデン前政権下の2023年11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のためサンフランシスコを訪れて以来となる。
中国側は経済・貿易面での協力を軸に米中関係の安定を進める考えだ。ロイター通信は10日、中国が米国産大豆約100万トンを購入したと報道。トランプ政権が中間選挙に向けた成果として重視する米国産大豆の購入を加速させているもようだ。
企業代表団と台湾問題
香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、習氏の訪米に中国電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD)を含む企業代表団を同行させる見通しだと報じている。
一方、中国が「核心的利益」と位置付ける台湾問題に関しては、米側に干渉を拒む姿勢を示し、米政権による台湾への武器売却の見送りを促すとみられる。



