韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)から約90キロ離れた隣島で、「独島(トクト、竹島の韓国側呼称)観光」の拠点となってきた韓国東部・鬱陵島(ウルルンド)が、人口や観光客の減少に頭を悩ませている。原因の一つには中国漁船の乱獲などによる島名物・イカ漁の衰退があり、もう一つは皮肉にも、日韓関係の改善が影響しているという。
イカ漁、四半世紀で99%減少
韓国で3連休の中日だった7月18日。鬱陵島では一年の最大行事である「イカ祭り」が開催され、若者や家族連れがプールに放流されたイカを摑み取りするイベントに挑んだ。イカはその場でさばかれ、海岸では昼間から、新鮮な刺し身をさかなに酒宴が催されていた。
鬱陵島では、日本統治時代に導入されたイカ漁方式が定着。終戦後、イカ漁は漁業の90%以上を占める主力に成長し、島最大の収入源となった。しかし、2000年に1万1000トンを超えていた年間漁獲量はここ3年間、年平均112トンまで激減。わずか四半世紀で99%減少した計算となった。
中国の乱獲がもたらした影響
温暖化に伴う漁場の変化に加えて、不漁の原因となったのが中国による乱獲だ。中国は04年、北朝鮮と民間漁業協定を結び、鬱陵島の北方約200キロの北朝鮮水域でイカ漁を本格化。韓国側では禁じられていた底引き網を使い、韓国に南下する前のイカを文字通り一網打尽にしていった。現在では祭りに供されるイカも、島の沿岸で釣り上げた以前とは異なり、遠方の漁場でようやく確保しているという。
島で約50年イカ漁に従事してきた漁師の崔大坤(チェ・テゴン)さん(71)は「昔は犬がくわえていくほどイカがあふれていたのに、みんな中国が持っていってしまった」と振り返る。「イカも、イカ売りのおばさんも、それを見に来る観光客も皆、いなくなってしまった」
日韓関係改善が観光に影
一方、観光面では、日韓関係の改善が「独島観光」の需要減につながっている。竹島を訪れる日本人観光客が増えると、韓国側の「独島」への関心が薄れるためだ。鬱陵島の観光業者は、閑古鳥が鳴く現状に頭を悩ませている。



