中国の月裏側探査機「嫦娥6号」がサンプル採取成功、帰還へ
中国の月裏側探査機「嫦娥6号」がサンプル採取成功

中国国家航天局(CNSA)は6月4日、無人月探査機「嫦娥6号」が月の裏側でのサンプル採取に成功し、帰還を開始したと発表した。世界初となる月の裏側からのサンプルリターンが実現すれば、月の起源や進化の解明に大きく貢献すると期待されている。

世界初の月裏側サンプルリターン

嫦娥6号は5月3日に打ち上げられ、6月2日に月の裏側にある南極エイトケン盆地内のフォン・カルマン・クレーターに着陸した。着陸後、ロボットアームとドリルを使って表土と岩石のサンプルを採取し、約2キログラムの試料を容器に密封した。その後、上昇機が離陸し、月周回軌道上で待機する帰還機とのドッキングに成功した。サンプルは帰還機に移され、地球への帰還を開始した。

CNSAの担当者は「嫦娥6号のミッションは順調に進んでおり、サンプルリターンは計画通りだ。月の裏側からのサンプルは科学的に非常に価値が高く、月の地質学的歴史や内部構造の理解を深めることができる」と述べた。

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中国の月探査の成果

中国は2007年の嫦娥1号以来、段階的に月探査を進めてきた。2019年には嫦娥4号が世界で初めて月の裏側に軟着陸し、2020年の嫦娥5号では月の表側から約1.7キログラムのサンプルを持ち帰った。今回の嫦娥6号は、より困難な月の裏側からのサンプルリターンに挑戦している。

嫦娥6号のサンプルは、月の裏側と表側の地質学的差異を明らかにする可能性がある。南極エイトケン盆地は月最大の衝突クレーターであり、その岩石は月の深部から掘り起こされたものとされ、月の内部構造や起源の解明に役立つと期待される。

国際協力と今後の展望

嫦娥6号にはフランス、イタリア、パキスタン、欧州宇宙機関(ESA)などの科学機器も搭載されており、国際協力の一環としてデータ収集を行っている。CNSAは「月の探査は人類共通の事業であり、国際社会と協力して科学的成果を共有したい」とコメントしている。

サンプルは約20日後に地球に帰還する予定で、中国内モンゴル自治区の砂漠地帯に着陸する見込み。その後、北京の宇宙科学研究所で分析される。中国は2030年までに有人月探査を計画しており、今回のミッションはその準備としても重要な位置づけとなる。

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