イスラエル警官、パレスチナ一家に誤射 両親殺害し子どもに「黙れ」「犬だ」
イスラエル警官、パレスチナ一家に誤射 子どもに暴言

イスラエル警官、パレスチナ一家に誤射 子どもに暴言

ヨルダン川西岸でイスラエル治安部隊によるパレスチナ人誤射事件が相次いでいる。両親を殺害された子どもが警官に「黙れ」「お前らは犬だ」と暴言を浴びせられた事例も確認された。国連によると、2023年10月以降、西岸(東エルサレムを含む)で1109人が殺害され、うち子どもは243人に上る。

ヘブロンでの誤射:生後7か月の乳児死亡

6月5日夜、ヘブロン南部テル・ルメイダ地区の住宅街で、大学講師ファハド・ハイカルさん(41)が運転する乗用車が、検問所から来たイスラエル軍の兵士2人に停止を命じられた。目撃者によると、車は完全に止まったが、兵士は約10メートル先から発砲。弾丸はファハドさんの手をかすめ、後部座席の生後7か月の次男サムちゃんの頭を貫通し、妻の胸や顔にも当たった。サムちゃんは死亡し、妻は重傷。イスラエル軍は一家が「事件とは無関係の一般市民だった」として誤射を認めた。葬儀後、ファハドさんは「私の苦しい感情を説明するのは難しい」と語った。

タムーンでの大量殺傷:子どもに「黙れ」と暴言

3月15日未明、西岸北東部タムーンの住宅街で、イスラエル警察の特殊部隊が一家6人の乗った車に100発近くを発砲し、4人を殺害した。目撃者によると、警察官5人ほどが左折してきた車に一斉発砲。建設作業員の父(当時37歳)と母(同35歳)、三男(同7歳)、四男(同5歳)が即死した。後部座席で生き残った長男ハーリド君(11)と次男ムスタファ君(8)は、警察官に車外へつまみ出され、ハーリド君が両親の殺害に抗議すると、警官は「黙れ」と顔を殴り、「お前らは犬だ」と言い放った。ハーリド君は取材に「悔しくて悲しい」と肩を震わせた。部隊は武装勢力を追跡中、発砲する車を取り違えたとみられる。

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占領下で繰り返される悲劇

タムーンでは掃討作戦が頻繁に行われ、この2年半で住民56人が殺害された。事件現場の向かいに住む農業のホサム・ボシャラトさん(41)は「子供を連れて家の外に出るのが怖い。これが占領の実態だ」と語った。国連によると、西岸の死者数は2023年10月以降、直前の同じ期間(2年9か月間)と比べて2倍以上に増加。武装勢力の掃討を名目とする軍事作戦が市街地でも日常化し、治安部隊が短時間で脅威の有無を判断せざるを得ない事情がある。一般市民を誤って殺害しても関係者が重い刑罰に問われる例がほとんどないことも、被害が繰り返される背景とみられる。

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