ウクライナのゼレンスキー大統領は2026年7月、フェドロウ国防相を解任した。国民の反発を受け、ゼレンスキー氏はフェドロウ氏との確執が伝えられたシルスキー総司令官も交代させた。バイデン米政権時代にホワイトハウスに勤務し、オーストラリアのメルボルン大学で民主主義を研究するコリー・アルパート氏は「ウクライナの政治は汚職と技術という二つの軸で動いている」と語る。
国防相解任の背景
フェドロウ氏が取り組んだドローン(無人機)の戦争での活用は、ロシアへのインフラ攻撃という劇的な場面を生んだ。シルスキー氏が慣れていた消耗戦とは大きく異なり、対立が生まれた。ゼレンスキー氏はまずフェドロウ氏を解任したが、国民の支持だけでなく、政権運営を支える制度・組織側の支持も必要だと考えたようだ。
ウクライナの政治体質
ウクライナの政治は「汚職(腐敗)と技術」という二つの軸で動いている。ウクライナ人は必ずしも腐敗を肯定するわけではないが、「これ(汚職)がいつものやり方で、そんなに悪くない」という感覚も持っているようだ。
一方、世代間で国の未来について大きな分断がある。若者たちは、テクノロジー主導の経済にウクライナの未来を見ている。年配の人々には、領土の放棄など、どんな犠牲を払っても戦争を終わらせようとする傾向がある。
今後の課題
ウクライナは選挙を行えないまま、こうした要素を組み合わせて政治を再構築している。ゼレンスキー氏に戦争終結と、より繁栄した国への明確なビジョンがないとみなせば、若者たちは彼を信頼しなくなるだろう。また、一般の人々は前線に兵士を送ることに疲れている。ウクライナ人は、政府に兵士の命を使う権利が無条件にあるとは考えていない。抗議活動は単なる国防相解任の問題を超えた、本能的なものだ。



