台湾の政治・経済の中心地である台北市を含む北部7県市で13日、携帯電話のデータ通信の速度を制限する演習が初めて実施された。通信施設が攻撃を受けた場合などを想定し、市民に代替の連絡手段をシミュレーションしてもらう狙いがある。頼清徳政権の念頭には、台湾への圧力を強める中国の存在がある。
警報と避難、通信制限の内容
13日午後2時半(日本時間同3時半)、台北市中心部にけたたましい警報音が鳴り響くと、路上にいた人々が急いで建物や地下に駆け込んだ。年に1度の大規模軍事演習「漢光」にあわせて例年行われている防空演習で、市民は30分間にわたり屋内への避難が求められる。
今回は、この演習に通信制限の内容が加わった。職場や自宅の固定回線は利用できるが、携帯回線は通信速度が制限され、SNSの利用やモバイル決済サービスに影響が及ぶと事前に告知された。
背景にある中国の圧力と通信途絶の現実
台湾はなぜ今、通信制限の演習に乗り出すのか。中国の軍事力拡大や台湾への様々な圧力の強化も背景の一つだ。民進党政権は非常時でも社会機能を維持できるレジリエンス(強靱性)の強化に力を入れてきた。
今回の通信制限演習も非常事態に対する備えの強化を狙ったものだ。台湾周辺では近年、海底ケーブルの損傷事案も相次ぐ。離島部では約50日間にわたって実際に通信が制限される事案も起きている。



