ネパールと中国の国境地帯で26日に発生した土石流は、28日時点で両国を合わせた死者が552人に上り、行方不明者は1500人を超えた。現地ではさらなる土砂災害の恐れも浮上しており、救助活動は難航している。
ダム湖化した川の水位上昇を警告
ネパール当局は28日、氷河や土砂でせき止められた川が中国側でダム湖のようになり、そこから水が氾濫し始め、川の水位が上昇しているとの警告を出した。洪水の恐れがあるとして、周辺住民には高台への避難を呼びかけた。
中国水利省によると、この「ダム」の水量は27日時点で、東京ドームの容積の1・6倍にあたる推定約200万立方メートル。今後3日間に予想される降雨で2・5倍に増えると予測。水利省は「下流地域にさらなる被害をもたらす可能性がある」としている。
30カ国以上の外国人が行方不明
両国の当局や報道によると、ネパール側の死者は28日時点で547人、行方不明者は977人に上る。中国側の死者は5人で、558人が行方不明だ。道路や橋が破壊され、救助活動は困難だという。
行方不明者には30カ国以上の外国人が含まれ、日本政府によると、ネパールを旅行で訪れた邦人5人と連絡が取れていない。木原稔官房長官は28日の会見で「(5人は)観光目的で入国していたと承知している。ネパール当局に対して捜索救助を依頼しているほか、関係当局から情報収集を行っている」と述べた。
日本政府は28日、国際協力機構(JICA)を通じてネパールに緊急援助物資を供与することを決めた。ネパール政府からの要請を受けたもので、テント300張り、毛布約1800枚などを提供する。
茂木敏充外相は会見で「できる限りの支援を行うべく供与を決定した」とした上で、今後の更なる支援については「ネパール側のニーズも踏まえて検討していく」と述べた。
外務省は邦人の行方不明者の保護のため、現地に「海外緊急展開チーム」を派遣して対応に当たる。



