アジア・アジアパラ競技大会の開催を控え、中部空港(愛知県常滑市)周辺では、出場選手や訪日外国人客への受け入れ準備が本格化している。特に食事面では、文化や宗教の違いに対応したメニュー開発が急務となっている。
高野豆腐でキーマカレー、試食会で多様性学ぶ
常滑市で7月下旬に開かれた「食の多様性セミナー」(常滑商工会議所、とこなめ観光協会共催)には、飲食業者ら25人が参加した。市内のビーガンカフェ店主が調理の工夫を説明し、参加者は肉の代わりに高野豆腐を使ったキーマカレーを試食した。
名古屋大特任講師のミフタフル・フダさんは、ハラール対応によって顧客層が広がると強調。店内のメニュー表だけでなく、SNSやアプリでの情報発信も重要だと指摘した。「インドネシア、マレーシアなどからムスリム(イスラム教徒)の旅行者が増えている。ベジタリアン(菜食主義者)は欧米人にも多い」と最近の傾向を紹介した。
中部空港でも2月にセミナーが開かれ、約60店舗の関係者が出席。海外の様々な食文化に対応したメニューを試食した。
パラ選手への対応、車いすや義肢の運搬に細心の注意
アジアパラ大会に出場する外国人選手への対応も進んでいる。中部空港で働く約110人を集めて7月下旬に行われた「パラスポーツ講演会」では、パラアスリートの入国手続きなどに関する説明があった。
大会組織委員会事務局の五十川有希子パラ総括課長は、競技用の車いすや義肢について「アスリートの体と同じくらい大事」と述べ、運搬には細心の注意が必要だと説明。また、到着や出発時は「チェックインや移動、乗降に時間の余裕が必要」と指摘した。
空港会社の担当者は「愛知・名古屋の印象は、空港で始まり、空港で終わる」と話し、空港内の業者らと課題を共有し、「おもてなし」を充実させようとしている。



