トヨタ自動車は2024年3月期の連結営業利益を従来予想から4000億円上方修正し、1兆9000億円とする見通しを発表した。円安や電気自動車(EV)の販売好調が主な要因。売上高も従来予想を1兆円上回る30兆円を見込む。
EV販売がけん引
トヨタのEV販売は2023年4~12月期で前年同期比3倍以上の約10万台に達した。特に欧州や中国での需要が拡大。トヨタは2026年までにEVの年間販売150万台を目標に掲げており、今回の好調はその達成に向けた弾みとなる。
また、円安進行も収益を押し上げた。2023年度の想定為替レートは1ドル=130円だったが、実際は140円前後で推移。これにより、輸出採算が改善し、営業利益に約2000億円のプラス効果があったと試算される。
原材料高を価格転嫁
原材料価格の高騰に対しても、トヨタは値上げやコスト削減で対応。特に鉄鋼やアルミニウムの価格上昇を、販売価格に転嫁することで利益を確保した。トヨタの佐藤恒治社長は「コスト削減努力と価格転嫁が奏功した」と述べている。
一方で、半導体不足の影響は続いており、一部工場での生産調整が発生。しかし、全体としての生産台数は計画を上回って推移しており、供給制約は徐々に緩和されつつある。
今後の見通し
トヨタは2024年3月期の世界販売台数を1040万台と見込む。EVの比率はまだ低いものの、今後の拡大が利益成長を支えると期待される。また、水素エンジン車や次世代電池の開発にも注力し、多様な電動化戦略を推進する方針だ。
今回の上方修正は、トヨタの収益力回復を示すものとして市場で好感された。株価は発表後に上昇し、時価総額は一時50兆円を超えた。



