経営コンサルタントの小宮一慶氏が、実質賃金が4カ月連続でプラスとなったにもかかわらず、家計の消費支出が伸び悩む理由を分析。エンゲル係数が今世紀最高に達し、食費負担が特に大きい都市を指摘する。
実質賃金は上がっているのに消費が伸びない
アメリカのトランプ大統領がイランの戦闘終結協議で合意成立を発表したが、それ以前の価格高騰や石油製品の不足が日本経済に影を落としている。そんな中、実質賃金が4カ月連続でプラスになったことは朗報だ。実質賃金は名目賃金の上昇率からインフレ率を引いたもので、長らくマイナスが続いていた。
しかし、消費支出(2人以上世帯)は前年比でマイナスが続いている。小宮氏は「将来不安が大きいからだ」と指摘。内閣府の消費動向調査では、1年後の物価上昇率が5%以上と予想する回答が58.1%に上り、先行きへの警戒感が強い。
エンゲル係数の上昇と家計への影響
小宮氏は、今後金利が上昇し物価がさらに上がることで、エンゲル係数(家計の消費支出に占める食費の割合)が高まり、生活に苦しむ国民が全国で増えると予測。特に、東京や京都ではなく、ある都道府県庁所在市で食費が家計を最も圧迫しているという。
所得の2極分化も進行しており、低所得層ほどエンゲル係数が高くなる傾向がある。実質賃金の上昇が続いても、物価高と将来不安が消費を抑制し、家計の負担感は増す一方だ。



