廃墟モールの経済学:茨城・千葉県境で2つのモールが消えた残酷な背景
廃墟モールの経済学:茨城・千葉県境の残酷な背景

県境に残る2つの廃墟モール

茨城県と千葉県の県境に、ひっそりと佇む2つの廃墟モールがある。「アイモア」と「小見川アピオ」だ。かつては地域の商業の中心として賑わいを見せたこれらのモールは、今やその役割を終え、衰退の一途をたどっている。なぜ、これらのモールは廃墟と化してしまったのか。その背景には、地元商業の生き残りをかけた厳しい歴史と、モータリゼーションの進展によるモール乱立の影響があった。

「アイモア」と「小見川アピオ」の現状

「アイモア」の周辺には、隣接するホームセンターナフコやパチンコ店、焼肉店、銀行などがあるが、全国チェーンの大型店は見当たらない。県道101号線沿いに位置するものの、商業集積地とは言い難い状況だ。一方、「小見川アピオ」の周りにはマクドナルドやドコモショップなどのチェーン店が点在するが、やはり商業集積地としての魅力は乏しい。小見川駅に至るまでの商店街はシャッターが下りたままの店舗が目立ち、車が通り過ぎるだけの寂しい道路となっている。

周辺市町村ではモールやロードサイドの大型店が乱立しており、そうした中で商業集積のない「アイモア」と「小見川アピオ」が繁栄するのは極めて困難であった。

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地元商業生き残りの歴史

1990年から2000年にかけて、道路整備が進みモータリゼーションが加速する中で、茨城・千葉の県境では、それぞれの市町村が地元消費者の流出を防ごうと奮闘していた。その結果、モールが乱立し、当時の潮来町の「アイモア」、小見川町の「小見川アピオ」はいずれも衰退してしまった。

地域の人々から愛されてきたこれらのモールには、小さな町の地元商業の生き残りをかけた歴史が刻まれている。前編では、ショッピングセンター研究家の坪川うたさんが現地を訪問し、豊富な写真とともに「アイモア」の衰退の背景を詳しく解説している。

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