廃墟モールの経済学:茨城・千葉の県境に2つの廃墟モールが生まれた残酷な背景
廃墟モールの経済学:茨城・千葉の県境に2つの廃墟モールが生まれた背景

ライフ #廃墟モールの経済学 「核テナントが3つとも消滅」「運営元も耐えきれず経営破綻」…茨城・千葉の県境で「2つの廃墟モール」誕生の残酷背景

空き区画だらけの「小見川アピオ」

茨城県・千葉県の県境に2つの廃墟モールが生まれたのはなぜか。ショッピングセンター研究家・ライターの坪川うた氏が現地を訪れ、その背景を報告する。

ガラガラで人がいない。空き区画だらけ。BGMだけが虚しく響いている――。日本各地に、そんな「廃墟モール」が存在する。かつて繁栄した商業施設は、なぜ廃墟になってしまったのか。理由を探ると、7つの要因が見えてきた。

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前編では、テナントの撤退が相次いだのちに閉店し、建物が放置されてきた茨城県潮来市の「アイモア」の現状を報告。廃墟化した要因は、①競合施設の存在、②核テナントの撤退、③施設の老朽化、④周辺人口の減少、⑤商圏の変化、⑥運営会社の破綻などであると結論付けた。

「アイモア」は茨城県と千葉県の県境に位置している。この県境付近で「アイモア」と同時期にオープンし、廃墟化しているモールがもうひとつある。千葉県香取市の「小見川アピオ」だ。

「アイモア」と同じ地元主導型ショッピングセンター

「小見川アピオ」は、JR小見川駅から徒歩約25分の場所に位置している。2006年3月に佐原市、小見川町、山田町、栗源町の1市3町が合併して香取市となるまで、小見川町だったエリアだ。かつての小見川町に建つ「小見川アピオ」は、地元主導型のショッピングセンターとして2000年に開業した。

核テナントが3つとも消えた

「小見川アピオ」は開業当初、核テナントとしてスーパーマーケット、ホームセンター、書店の3つを擁していた。しかし、競合のロードサイド大型店に客足を奪われ、徐々にテナントが撤退。核テナントもすべて消滅した。運営会社も経営難に耐えきれず、ついに経営破綻。施設は現在、空き区画だらけの廃墟モールと化している。

ロードサイド大型店に勝てなかった

地元商業の生き残りをかけて開業した「小見川アピオ」だったが、周辺に進出したロードサイド大型店の価格競争や品揃えに対抗できなかった。また、商圏人口の減少も追い打ちをかけた。地元商業の歴史は、こうした大型店との競争に敗れ、廃墟モールを生み出す結果となった。

廃墟モールの背景には、地域経済の変化や消費者の行動変容が深く関わっている。次回は、他の廃墟モールの事例を紹介しながら、その要因をさらに掘り下げる。

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