認証不正問題により2025年3月期決算で赤字に陥っていたダイハツ工業が、2026年3月期に黒字を回復した。単なる黒字化にとどまらず、認証不正問題発覚前の売上高・利益水準を上回るV字回復を見せている。完全復活を遂げたダイハツが、今後も成長を続けられるのか。2027年3月期決算の行方にも注目が集まる。
ダイハツがV字回復!何が要因なのか
2026年3月期は1,000億円超の最終利益を計上
ダイハツは2023年12月に認証試験の不正問題が発覚し、赤字に転落した。同社はトヨタ自動車の子会社で、決算短信などは開示していないが、官報に決算公告が掲載されている。
ダイハツは認証不正の影響に加え、新車種の発売が2026年3月期からとなったため、2025年3月期は▲40億円の赤字での着地となった。それでは、認証不正問題も一巡した2026年3月期はどのような数字で着地したのだろうか。以下が2024年3月期から3期の決算推移である。
- 2024年3月期:売上高1兆1,815億円、営業利益▲54億円、経常利益580億円、税引前当期純利益▲120億円、当期純利益157億円
- 2025年3月期:売上高1兆2,720億円、営業利益250億円、経常利益640億円、税引前当期純利益▲300億円、当期純利益▲40億円
- 2026年3月期:売上高1兆6,160億円、営業利益630億円、経常利益1,290億円、税引前当期純利益1,560億円、当期純利益1,390億円
2024年3月期から税引前当期純利益の赤字が続いたが、2026年3月期はすべての利益が黒字化。損益計算書上は認証不正問題の影響から脱している。また、黒字化のみならず最終利益も1,000億円を超えており、2026年3月期決算でダイハツは認証不正問題を克服したと言える状態だ。
認証不正前の業績と比較
認証不正問題を乗り越えた形のダイハツの2026年3月期決算だが、認証不正発覚前の決算と比べると、どのような状態なのだろうか。以下は認証不正発覚前の2023年3月期決算である。
- 2023年3月期:売上高1兆4,930億円、営業利益380億円、経常利益700億円、税引前当期純利益890億円、当期純利益770億円
2026年3月期を2023年3月期と比べると、売上高に加え営業利益以下の利益もすべて上回った。ダイハツは数字的にはV字回復を果たし、認証不正発覚前の水準を上回って完全復活を遂げている。
2026年3月期快進撃の要因
ダイハツは認証不正問題の発覚以降、新型車の発売を控えていた。そして満を持して、2026年5月に主力車種である新型「ムーヴ」の販売を開始した。
新型ムーヴは予約段階で予想の2倍以上の受注を集めるなど、新生ダイハツの業績牽引役として期待されていた。販売台数は2025年4月~2026年3月の間に13万台を超え、前期比209.4%を達成。期待された役割を見事に果たした。また「タント」の販売も好調で、足下ではムーヴの販売台数を上回る月もあるなど、ダイハツの復活はムーヴの躍進だけではない一面もある。
新型タント発売で成長続く?
ダイハツの復活には新型ムーヴが欠かせなかったと言える。そして今期は、12月にタントがフルモデルチェンジすると報じられている。タントはムーヴと並ぶダイハツの主力車種だ。前期の新型ムーヴで復活を果たしたダイハツは、今期の新型タント発売で成長を続けることができるのだろうか。認証不正から完全復活を果たしたダイハツの2027年3月期決算の行方が注目される。



