EVシフト加速で中国部品大手が日本市場に攻勢、自動車産業の地図が変わる
EVシフトで中国部品大手が日本市場に攻勢

電気自動車(EV)シフトが世界的に加速する中、中国の自動車部品大手が日本市場への攻勢を強めている。鴻海(ホンハイ)や寧徳時代新能源科技(CATL)などが、高度な技術力と圧倒的な価格競争力を武器に存在感を高めており、トヨタ自動車など日本メーカーとの協業も拡大している。これにより、日本の自動車産業のサプライチェーン地図が大きく塗り替えられようとしている。

中国EV部品大手の日本進出が加速

中国のEV関連部品メーカーは、電池やモーター、半導体など主要コンポーネントで世界トップクラスのシェアを誇る。特にCATLは、世界のEV用電池市場で約3割のシェアを持ち、トヨタや日産自動車、ホンダなど日本メーカーにもバッテリーを供給している。鴻海は、台湾を拠点とする電子機器受託製造サービス(EMS)大手だが、EV分野でも部品供給や車両組み立て事業を拡大しており、日本メーカーとの協業を模索している。

さらに、中国のEVメーカーである比亜迪(BYD)も、自社開発の電池や半導体を外部に供給する動きを見せている。BYDは2023年に日本市場にEV乗用車を投入したが、部品供給でも日本メーカーとの連携を強化している。

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日本メーカーとの協業拡大

日本メーカーも、中国部品大手との協業を積極的に進めている。トヨタは、CATLとバッテリーの安定調達に向けた提携を強化し、鴻海との間ではEVの共同開発を検討していると報じられている。日産も、中国の電池メーカーである遠景能源(Envision Group)とバッテリー工場の建設を計画している。ホンダは、CATLからバッテリーの供給を受けることで合意している。

こうした動きの背景には、EVシフトに伴う部品調達の多様化とコスト削減の必要性がある。日本メーカーは従来、デンソーやアイシンなど国内部品メーカーとの強固なサプライチェーンを構築してきたが、EVでは新たな技術や部品が必要となるため、中国企業の技術力が不可欠になりつつある。

日本の部品メーカーへの影響

中国部品大手の日本市場進出は、日本の自動車部品メーカーに大きな影響を与える。特に、エンジンやトランスミッションなど内燃機関関連の部品を主力とする企業は、EVシフトで需要が減少するため、生き残りをかけた戦略が求められる。一方で、電池やモーター、インバーターなどEV向け部品の需要は拡大しており、日本メーカーもこれらの分野での競争力を高める必要がある。

デンソーは、EV向けの熱管理システムやパワー半導体の開発を加速し、アイシンはEV用駆動モジュールの生産を強化している。また、日本メーカー同士の連携も進んでおり、トヨタとデンソーは半導体の共同開発会社を設立した。しかし、中国企業の価格競争力は圧倒的であり、日本メーカーは技術面での差別化が不可欠だ。

自動車産業の地図が変わる

中国部品大手の日本市場進出は、自動車産業のサプライチェーンを根本から変える可能性がある。従来は完成車メーカーと部品メーカーの系列関係が強固だったが、EVシフトでオープンな調達が進み、新たなプレーヤーが参入しやすくなっている。これにより、日本メーカーはグローバルな競争にさらされる一方、中国企業との協業を通じてEV市場での競争力を高めるチャンスもある。

経済産業省の試算によると、2030年には日本のEV販売台数が新車販売の20〜30%を占めると予想されている。この市場の拡大に伴い、中国部品大手の存在感はさらに高まるだろう。日本の自動車産業は、伝統的なサプライチェーンの強みを活かしつつ、新たなパートナーシップを構築することが求められている。

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