金融が現代の経済において重要でなくなったのはなぜか。その理由は単純だ。一言でいえば、資本制約がなくなったからである。もう一言いえば、ケインズの予言がようやく実現したからである。
ケインズは「一般理論」で、健全な経済が発展していけば、まもなく資本蓄積は十分となり、「利子生活者の安楽死」という世界がやってくると予言した。つまり、資本が十分に存在し、希少でなくなり、資本の価格はゼロとなる。利子率はゼロになり、利子で食べてはいけなくなるのである。
バブルに懲りて、金融と実体経済のリンクを断ち切った
かつてバブルに懲りて、金融と実体経済のリンクは断ち切られた。イノベーション資金は融資からエクイティに代わった。それでも金融は死なない。なぜ企業は株主や投資家にこれほどまで気を使うのか。
株価という根拠のない通信簿に皆が振り回されている
いまや株価は唯一の通信簿である。根拠のない通信簿に皆が振り回されている。資本が余り、資本家の利益はなくなったのに、金融は死なないどころか、世の中をいっそう振り回すのはなぜか。その謎を解く鍵は、株価という根拠のない通信簿にある。



