ソフトバンクグループの孫正義会長兼CEOがOpenAIと共同でサイバーセキュリティサービスを提供すると発表した。この背景には、ハイパースケーラー(超大規模クラウドサービス運営企業)によるAIインフラ投資が日本円で100兆円以上に達する見通しがあり、現在も増加中であることがある。すでに始まっている「実装」の収益力が短期的なマイナス要因を打ち消しており、2027年にはフィジカルAIとして本格化し、収益はさらに拡大する見込みだ。
AI関連株人気のピークは2027年半ばか
AI相場がどこまで続くかについて、平野憲一氏(ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト)は「AI相場はどこまで“も”続く」と述べる。しかし、株式市場の観点から見ると、2028年以降はAIが社会インフラとして定着し、長期成長産業として続くものの、株価テーマとしての力は弱まると予想する。具体的には、2026年は選別相場、2027年は実装相場として盛り上がるが、28年以降はAIの社会インフラ化によりテーマ熱が徐々に低下する。この流れから、AI関連株人気のピークは2027年末と見られるが、投資家心理の特性を考慮すると、実際のピークは2027年半ばになると平野氏は予想する。
高ボラティリティとリスク管理の重要性
相場は上がれば上がるほどリスクも増す習性があり、これから1年間は現在よりもはるかに高いボラティリティ(変動率)になると見込まれる。しかし、余裕資金で「下げたら買い」を実行できる投資家にとっては、最も利益を得られる1年間になる可能性がある。ただし、AIだけが相場要因ではない。アメリカの景気後退懸念が徐々に高まっており、求人数の減少、失業率の上昇、大企業のホワイトカラー削減が続いている。景気後退は雇用悪化→消費減速→企業業績悪化の順で進むため、政策がまだ間に合う段階にある。現在のアメリカでは消費は粘っており、企業業績も落ち込んでいないため、方向修正の可能性は十分にある。
トランプ大統領の政策と今後の見通し
次ページでは、トランプ大統領の政策が正しかったのかどうかについて議論する。AI相場の今後を考える上で、マクロ経済環境と政策の相互作用が重要な要素となる。



