住友電気工業は、自動車部品事業を2026年4月に分社化すると発表した。電気自動車(EV)シフトの加速に伴う需要構造の変化に対応し、事業の競争力を高めるのが狙い。分社化されるのは、ワイヤハーネスや電装部品などを手掛ける自動車部品事業で、売上高は約1兆2000億円に上る。
EVシフトがもたらす部品産業の構造変化
自動車業界では、EVシフトにより従来のエンジン車向け部品の需要が減少する一方、電動化に必要な部品の需要が急拡大している。特に、ワイヤハーネスや高電圧ケーブルなど、電動車両に不可欠な部品へのニーズが高まっている。住友電工は、こうした変化に迅速に対応するため、自動車部品事業を独立させ、意思決定の迅速化と経営資源の集中を図る。
同社は、EV向け部品の開発や生産体制の強化を進めており、今回の分社化により、さらなる成長を目指す。住友電工の井上治社長は、「EVシフトは大きなチャンス。分社化により、より機動的に事業を展開できる」と述べている。
分社化の詳細と今後のスケジュール
分社化は、2026年4月1日を予定。新会社は住友電工の完全子会社として設立され、社名は未定。従業員は約3万人が移籍する見込み。住友電工は、分社化後も新会社の株式を100%保有し、経営統合などは現時点では検討していない。
住友電工は、自動車部品事業のほか、情報通信やエレクトロニクス、環境エネルギーなど多岐にわたる事業を展開している。今回の分社化により、残りの事業への経営資源の集中も進めるとみられる。
業界再編の動き加速
自動車部品業界では、EVシフトを背景に再編の動きが加速している。日立Astemoやデンソーなども、事業構造の見直しを進めており、住友電工の動きもその一環と捉えられている。住友電工の自動車部品事業は、世界シェアでトップクラスを誇るが、EV化に伴う競争激化に対応するため、さらなる効率化が求められている。
アナリストからは、「分社化により、外部との提携やM&Aも容易になる。今後の戦略次第では、業界再編の主役になる可能性もある」との声が上がっている。



