中国が伸び、北米が沈む―ルルレモン決算の明暗
カナダ・バンクーバー発祥の高級アスレジャーブランド「ルルレモン」が、2026年2〜4月期決算を発表。年間売上高約110億ドルを誇る同社だが、北米市場の失速が鮮明となった。総売上高は前年比4%増(為替影響除き2%増)の25億ドルにとどまり、既存店売上高は2%減と足踏み状態だ。
メーガン・フランク暫定共同CEO兼CFOは「競技用ウェア市場全体の動向は比較的安定している」と説明する一方、「直近6〜7週間で来店客数が急減し、購入率も小幅に低下した」と指摘。北米の売上高は3%減(為替影響除き4%減)、既存店売上高は6%減と深刻で、米国は4%減、カナダは3%減(為替影響除き6%減)と主要市場がそろって低迷した。
炎上で奪われた客足をマーケティング支出でカバー
北米での客足減少の背景には、ブランドイメージの悪化がある。同社は過去数年にわたり、創業者チップ・ウィルソン氏との対立や、商品の品質問題、SNS上での炎上などが相次ぎ、消費者の信頼を損ねた。これに対し、マーケティング支出を増やして客足回復を図るが、コスト増が収益を圧迫している。
通期見通しについては、売上高成長率を従来の6〜7%から4〜5%に下方修正。調整後EPSも12.50〜12.80ドルから12.20〜12.50ドルに引き下げた。フランク暫定共同CEOは「北米の回復には時間がかかる」と認め、慎重な見通しを示した。
定番と新しさのはざまで――商品戦略の立て直し
ルルレモンはヨガ用レギンスで成長してきたが、近年は商品ラインナップの多様化に苦戦。定番品の売れ行きが鈍る一方、新商品へのシフトが十分に進んでいない。特に北米では、競合ブランドの台頭や消費者の節約志向が逆風となっている。
同社は中国市場での成長に期待を寄せる。中国の売上高は前期比で2桁増を記録し、新規出店も順調だ。しかし、中国事業の規模はまだ全体の10%未満であり、北米の落ち込みを補うには至っていない。
社長交代と創業者の対立。経営体制の行方
経営面では、2024年にCEOが交代した後、創業者ウィルソン氏が経営陣を批判する公開書簡を発表するなど、混乱が続く。ウィルソン氏は「ブランドの方向性が間違っている」と訴え、株主に対し経営陣の刷新を求めている。
こうした内部対立は、投資家の信頼を損ね、株価の低迷にもつながっている。さらに、米中貿易摩擦の激化に伴う関税引き上げも、中国事業の成長に影を落とす可能性がある。ルルレモンは今後、経営の安定化と北米市場の立て直しが急務となる。



