フリーランスとして仕事を続ける上で、信頼は何よりも重要だ。しかし、何気ない行動が信頼を失い、気づかぬうちに仕事が減少してしまうケースがある。エンタメ雑食系ライターのみくまゆたん氏の著書『書く人生のはじめかた 文章力より大切な“書き続ける”ための心構え』より、発注者の視点から見た信頼獲得の秘訣を紹介する。
SNSへの愚痴が招く信頼喪失
「この人、うちの悪口をネットに書いてるじゃん」――発注者がそう感じた瞬間、取引先との関係は一瞬で冷え込む。みくまゆたん氏は、SNSへの愚痴やお金に関する投稿が、発注者の目に留まりやすいと指摘する。発注者は意外とSNSをパトロールしており、クライアントの悪口や愚痴を投稿すると、それが原因で仕事が減る可能性がある。
「どうしても本音をネットに吐露したいときは、抽象的な表現にとどめるか、同業者とのクローズドなグループで共有するのが無難」と同氏は助言する。愚痴は同業者にしか好かれず、発注者に見つかれば信用を損なう。
報連相が信頼を築く基盤
文章力だけでなく、安心して仕事を任せられるかどうかが、継続的な依頼のカギを握る。特に、発注者自身が企業から依頼を受けている場合、納期の遅れは自社の信用問題に直結するため、納期厳守や対応の丁寧さが重視される。
みくまゆたん氏は、初期段階で信頼を得られれば、ほとんどのクライアントと2年以上、中には6年以上の継続関係を築いてきたという。その信頼の土台は「報連相(報告・連絡・相談)」を軸とした丁寧なコミュニケーションだ。
- 報告:何を書いているか、どこまで進んでいるかを共有する。例:「構成案が完成しました。原稿は○日までに提出予定です。」
- 連絡:納期の変更や参考資料の不足など、業務に影響する情報を迅速に伝える。例:「体調不良のため、納期が○日までに遅れます。こちらの都合で大変申し訳ありません。」
- 相談:構成やテーマ、表現方法に迷ったときは遠慮せず相談する。例:「テーマは○○案と△△案、どちらの方向に寄せた方が良いでしょうか?」
迷ったときは勝手に判断せず確認を
ライターが独断で進めてしまうと、発注者の意図とズレが生じ、修正が発生する。結果的に納期が遅れたり、品質が低下したりする。みくまゆたん氏は「迷ったらすぐに確認する姿勢が、長期的な信頼につながる」と強調する。
発注者側も、ライターが積極的に相談してくれることで安心感が増す。特にフリーランスは孤独な仕事だが、報連相を徹底することで「この人なら任せられる」という信頼を得られる。
お金の話題はSNSで書かない
「単価が安い」「報酬が遅れている」など、お金に関する愚痴もSNSでは避けるべきだ。発注者が見た場合、「このライターは金銭面で不満を持っている」と受け取られ、継続依頼に影響する。また、同業者からの共感は得られても、ビジネス上の信用にはつながらない。
みくまゆたん氏は「SNSはパブリックな場。発注者も見ていることを常に意識すべき」と警鐘を鳴らす。どうしても吐露したい場合は、非公開のアカウントや同業者との直接連絡に限定するのが賢明だ。
フリーランスとして長く仕事を続けるには、文章力だけでなく、行動やコミュニケーションが信頼を左右する。報連相を徹底し、SNSでの発言に注意することで、安定した仕事を獲得できるだろう。



