茨城県・千葉県の県境に、2つの廃墟モールが誕生した。その背景には、核テナントの相次ぐ撤退や運営会社の経営破綻、そしてロードサイド大型店との競争に敗れた厳しい現実がある。
小見川アピオの栄枯盛衰
小見川アピオは、ピーク時に年間55億円の売上を誇ったが、2002年度には25億円にまで落ち込んだ。運営を担っていた小見川エスシーは、2003年1月に売上金の振り込みが滞り、経営危機が表面化。その後、経営破綻に至った。
最大の要因は、3つの核テナントであるマルエツ、ケーヨー、亀宗の相次ぐ退店だった。マルエツ撤退後に出店した三膳市場も閉店し、2010年6月にスーパーセンタートライアルが出店。現在も営業を続けている。
ロードサイド大型店に敗れた地元モール
潮来の「アイモア」と小見川の「小見川アピオ」は、同時期にオープンし、消費流出を防ぐために開発された地元主導型ショッピングセンターである。両者に共通するのは、施設周辺に商業集積が乏しいことだ。
例えば、佐原では中心市街地に歴史的な街並みが広がる一方、国道356号沿いにはチェーン店が密集している。同様に、鹿島市の「チェリオ」近くや神栖市の国道124号沿いにもチェーン店が集積している。これに対し、「アイモア」と「小見川アピオ」の周辺にはそうした集積がなく、単独で大型ロードサイド店と競争せざるを得なかった。
佐原駅周辺には観光客が訪れる歴史的な街並みが形成され、駅から車で5分の場所にある「サワラシティ」も存在するが、その近くの国道356号沿いは典型的な地方のロードサイド景観を呈している。
このように、地元主導型モールは、立地条件や競争環境の変化に耐えられず、廃墟と化すケースが多い。核テナントの撤退が引き金となり、運営会社の経営破綻に至るパターンは、全国のショッピングセンターに共通する課題と言える。



