覚書締結でTACO相場は勝利もイラン戦争終結に疑問
覚書締結でTACO相場勝利もイラン戦争終結に疑問

政治・経済・投資の専門家が市場を深読みする連載。今回は、トランプ大統領がヴェルサイユ宮殿で署名した覚書について、当面の相場は「TACO」に賭けた側が勝利したものの、イラン戦争が本当に終結できるのか疑問を呈する。

日経平均7万円達成「3つの理由」

日本銀行が16日に利上げを決定し、政策金利が31年ぶりに1.0%となった。それにもかかわらず、日経平均株価は同日、ついに7万円の大台に乗せた。年初は5万1010円で始まったため、わずか半年で4割も上昇したことになる。この展開に、連載の相方である小幡績先生(慶應義塾大学大学院)も驚いている。

テレビ東京『モーサテ』でおなじみの強気派ストラテジスト、広木隆さん(マネックス証券)は、7万円達成の理由として以下の3点を挙げている。

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  • 世界的なAI相場の勢い
  • 地政学リスク(アメリカとイランの戦闘終結合意)の後退
  • 日銀の利上げ(0.25%)という大型イベントを無難に通過したこと

①については、アメリカでAIデータセンター投資が活発になり、半導体や重電機器、建設機械、工作機械などの日本製品がよく売れている。日本企業はゴールドラッシュに直接参加していないが、金を掘る人々に「シャベルやつるはし」を売る仕事で潤っている。

③については、日本の政策金利が1%に達する歴史的瞬間を、ほとんどトラブルなく通過したことが好感された。当日は植田和男総裁が肝嚢胞感染症で入院中だったが、白血病治療から復帰した内田真一副総裁が記者会見で代役を務め、質疑に応えた。

地政学リスクは本当に後退したのか

覚書締結により、当面の相場は「TACO」に賭けた側が勝利した。しかし、イラン戦争が本当に終結するかは不透明だ。第3次イラン攻撃の可能性も残り、結局はTACOのまま推移する可能性がある。

「チュジニア戦後」の府中牝馬ステークス

競馬好きエコノミストとして、府中牝馬ステークスは「運試し」のつもりで臨むべきだ。市場と同様、予測困難な展開が待っている。

次ページでは、NACHOが選挙対策だった可能性や、非対称的な「110日戦争」の内実について詳述する。

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