トヨタの燃料電池車MIRAI、水素ステーション不足で販売低迷
トヨタMIRAI、水素不足で販売苦戦

トヨタ自動車が販売する燃料電池車(FCV)「MIRAI」が、水素ステーションの不足を背景に販売台数が伸び悩んでいる。国内の水素ステーションは約170カ所にとどまり、特に都市部以外での充填環境の整備が遅れていることが、普及の大きな障壁となっている。

販売台数は伸び悩み

MIRAIは2014年に世界初の量産型FCVとして発売され、2020年には2代目にモデルチェンジした。しかし、2023年の国内販売台数は約400台と、前年の約600台から減少。トヨタの目標には遠く及ばない状況だ。トヨタ広報担当者は「水素ステーションの整備が需要を喚起する鍵だが、インフラ投資には時間がかかる」と語る。

水素ステーションの現状

経済産業省のデータによると、2024年3月時点で全国の水素ステーションは174カ所。このうち、商用ステーションは約120カ所で、残りは実証実験用だ。地域別では、東京、大阪、愛知などの大都市圏に集中しており、地方ではほとんど見られない。燃料電池車の普及には、少なくとも1000カ所のステーションが必要との試算もある。

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また、水素の供給コストも課題だ。現在、水素1kgあたりの価格は約1000円と、ガソリン換算でリッターあたり約300円に相当し、燃費性能を考慮しても、ランニングコストはハイブリッド車に劣る。

トヨタの水素戦略

トヨタはMIRAIの販売に加え、大型トラックやバス向けの燃料電池システムの開発を進めている。さらに、水素を直接燃焼させる水素エンジン車の研究も行い、2023年にはカローラクロスをベースにした試作車を公開した。トヨタの佐藤恒治社長は「水素は多様なエネルギー源の一つであり、内燃機関の可能性も追求する」と述べている。

しかし、水素エンジン車も水素ステーション不足という同じ壁に直面する。業界関係者は「水素インフラの整備には官民の協力が不可欠。補助金の拡充や規制緩和が必要だ」と指摘する。

今後の展望

政府は2020年に「水素基本戦略」を策定し、2030年までに水素供給量を300万トンに増やす目標を掲げている。また、水素ステーションの整備目標も設定しているが、実現にはさらなる投資が必要だ。トヨタは2024年から米国でMIRAIのリース販売を強化するなど、海外市場にも活路を求める。

燃料電池車の普及は、カーボンニュートラル実現への一翼を担うと期待されるが、当面はインフラ整備が鍵を握る。トヨタの挑戦は続く。

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