東京ガスは、川崎市に大型水素製造プラントを新設すると発表した。2026年の稼働を目指し、年間約1万トンの水素を生産する計画だ。この水素は主に石油精製や化学工場など産業用に供給される見込みで、同社のカーボンニュートラル戦略の要となる。
水素需要の高まりに対応
世界的に脱炭素の流れが加速する中、水素は燃焼時に二酸化炭素を排出しない次世代エネルギーとして注目されている。東京ガスは既に水素サプライチェーンの構築を進めており、今回のプラント新設はその一環。同社の担当者は「産業分野での水素需要は今後さらに拡大すると見込んでおり、安定供給体制を整える必要がある」と説明する。
新プラントでは、都市ガスから水素を製造する方式を採用。製造過程で発生する二酸化炭素は分離・回収し、地下貯留するCCS(炭素回収・貯留)技術と組み合わせることで、実質的なカーボンニュートラルを実現する。年間約1万トンの水素生産により、二酸化炭素削減効果は約10万トンに上る見込み。
川崎市との連携
プラントは川崎市の臨海部に建設される。同地域は石油化学コンビナートが集積しており、水素の需要が大きい。また、川崎市は水素社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進しており、東京ガスの計画を後押しする。市の担当者は「水素関連産業の集積が進み、地域経済の活性化につながる」と期待を寄せる。
東京ガスは2020年代後半までに、水素供給能力を現在の約2倍に引き上げる目標を掲げている。今回のプラントはその達成に向けた重要な一歩と位置付けられる。同社は今後も水素関連投資を拡大し、2050年のカーボンニュートラル実現を目指す。



