1日のうちに「空腹な時間」をもたない人は、病気や老化の元となる「ゴミ細胞」をため込んでしまっている可能性がある。体が「ゴミを排出する」仕組みは、専門的にはオートファジーと呼ばれ、語源は古代ギリシャ語で「自己(auto)を食べる(phagy)」という意味だ。
オートファジーと概日リズムの関係
オートファジーは、肉体的なものでも心理的なものでも、私たちの弱い部分が、より良い状態になるために痛みを伴いながら犠牲となる過程の比喩でもある。人間は、おそらく昼夜のサイクルとともにオートファジーの仕組みを発達させたとされ、それがサッチン・パンダ博士の言う概日リズムである。
研究によれば、体にはもともと、夜間にオートファジーを高め、日中に摂取した食べ物を燃やしながら自らを修復し、再生するようなプログラムが組み込まれているという。しかし、私たちの1日に15時間食べ続ける生活がこのプロセスを妨げているとパンダは指摘する。そのせいで食べ物を完全に代謝し、オートファジーの段階に入るために必要な12〜16時間が奪われてしまうのだ。
「ゴミ出し」ができないとどうなるか
シダーズ・サイナイ医療センターの研究者は、このように表現している。「寝る前に何かを食べたら、オートファジーは起きません。つまりゴミ出しができないということです。その結果、細胞に老廃物がどんどんたまっていくんです」
ハーバード大学やジョンズ・ホプキンス大学を含む、16の研究機関に所属する研究者たちから成るチームは、多くの祖先にとって食料はおそらく乏しく、主に日中に摂取されていたため、夜間には長い絶食の時間があったと述べている。だが手ごろな人工照明と産業化の到来により、現代人は毎日明るい照明に長時間さらされるようになり、その結果、食べる時間帯が延び、摂取量も増えたという。
空腹がもたらすエネルギー向上
一日中食べ続ける生活は、私たちの頭の冴えを鈍らせている可能性もある。逆説的ではあるが、食べ物がないときのほうが、私たちのエネルギーは高まるのだ。研究チームは「食べ物がない時間が長く続いても、身体的にも精神的にも高いレベルで機能できる能力は、人類の進化の歴史において根本的に重要だった可能性がある」と記している。



