『VIVANT』第2期は、7月26日から2クールにわたり放映される。第1期は視聴率が右肩上がりとなり、社会現象を巻き起こした。その背景には、福澤克雄チーフ演出のスケール感あふれる映像と、視聴者の考察欲を刺激する物語の運び方がある。
福澤克雄のスケール感
福澤は『3年B組金八先生』シリーズや『華麗なる一族』など日曜劇場の作品を数多く手がけ、『半沢直樹』でも演出を務めた。同作ではオフィスのシーンでも広々とした空間の奥行きを強調する映像が印象的で、この感覚が福澤の持ち味のひとつである。
『VIVANT』では初めて福澤自身が原作も担当。ある日カーラジオで「別班」のことを知り、着想を得たという(『スポニチアネックス』2023年9月17日付記事)。国際的な舞台設定の中、広大な砂漠のシーンや3000頭の山羊・羊の突進、バギーとパトカーのカーチェイス、装甲車のような大型トラックでパトカーを破壊しながら日本大使館に逃げ込む場面など、予算と演出の相乗効果で地上波ドラマでは珍しいスケール感を実現している。
考察を誘う物語の運び
『VIVANT』の魅力はキャストの豪華さや映像のスケール感だけではない。SNSが普及した時代、考察意欲をかき立てることはドラマの人気獲得に重要な条件だ。『VIVANT』はその最たる例で、タイトル自体がフランス語で「生きている」という意味で謎めいており、わかりやすいタイトルが多い昨今のドラマの中では異質である。
物語の運びにも特徴があり、あえて展開を急がない。乃木憂助が「別班」であることが判明するのは第1期の第4話、全10話の中盤に入るタイミングだった。乃木がただの商社員でないことは何となくわかるが、正体は何なのか考察の余地が大いに残され、SNS上で視聴者がそれぞれの考察を披露し楽しむことができた。



