Netflix『ガス人間』小栗旬・広瀬すず・林遣都・UTAインタビュー 圧倒的スケールに驚き
Netflix『ガス人間』小栗旬・広瀬すず・林遣都・UTAインタビュー

動画配信サービス「Netflix」のオリジナルシリーズ『ガス人間』が、7月2日より世界独占配信を開始する。本作は、東宝の特撮映画『ガス人間第一号』(1960年)を原作に、Netflixと東宝が初めてタッグを組んでリブート。『新感染 ファイナル・エクスプレス』やNetflixシリーズ『地獄が呼んでいる』『寄生獣 -ザ・グレイ-』などで知られるヨン・サンホ氏がエグゼクティブプロデューサー・脚本を務め、『ガンニバル』『さがす』の片山慎三監督がメガホンを取った。オリコンニュースでは、小栗旬、広瀬すず、林遣都、UTAの4人にインタビューを実施。出演の決め手や役作り、片山組の熱量、現場エピソードなどを聞いた。

小栗旬「脚本を読んだ時点で面白みを感じた」 大作への挑戦と出演の決め手

――オファーを受けた際の率直な気持ちや出演の決め手を教えてください。

小栗:スケールがすごく大きいですし、『ガス人間』という話が現代にリブートされて作られるということが、脚本を読んだ時点で面白みを感じました。自分が演じる岡本賢治という役がどうこう以上に、この作品に関わることができたらいいなと思ったのがきっかけでした。

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広瀬:スケールの大きさと、その中でとてもトリッキーだけどとても愛らしい兄妹で、今どきの配信者という役が魅力的でぜひやってみたいなと。とても好奇心が湧いた役で参加したいと思いました。

林:数年前に『地獄が呼んでいる』という作品にすごくハマっていたのですが、今回ヨン・サンホさんの名前を見て、脚本を読み、「日本で俳優をやりながらあの世界観に飛び込めるのか」とうれしくて、ぜひやらせていただきたいと思いました。

UTA:人生で初めての演技だったので、こんなにスケールの大きい作品のメインキャラクターの1人が自分でいいのかな、というのが率直な思いでした。オーディションで最終的に決まったのですが、いいプレッシャーといい緊張感を持って、この作品に挑んでみようという気持ちで受けさせていただきました。

広瀬すず、私生活を投影し「妹全開」で熱演 林遣都との愛らしい配信者兄妹の舞台裏

――役作りを含め、今作に臨む上で大切にしたことを教えてください。

小栗:片山さんはこだわる方と聞いていたので、片山さんの出すOKを信じればいいという思いで作品に入った気がします。

広瀬:兄妹2人だけの世界で生きているような妹だったので。私も実際に末っ子なので、もう妹全開でいこうって思っていました。依存とはちょっと違うけど、狭い世界の中でのんびりと過ごしている。その妹っていうのが全開で出せたらいいなと思っていました。

林:富士太という役は自分は狭い世界の中だけじゃダメだと思っている人間なので、その兄妹間の気持ちの向いている方向を大切にしていきました。片山さんの演出が毎日、想像していなかったことが何発も飛んでくるので、そこに常に柔軟というか片山さんが思い描くものや「これだ」と思うものを、自分が今持てる全てで臨みたいと思ってやっていました。

UTA:まず役作りが何かから始まりました。ガス人間というキャラクターを演じるにあたって、どう無機質で不気味な感じを出すかを考えたときに、もともとモデルとしてランウェイを歩く仕事などをさせていただいているので、その時の異様な空気というか。もうマネキンのような人たちがシーンとした中で歩いている、その不気味さも取り入れてみようかなと思いました。それこそ銅像みたいな感覚を大事にしながら、ガス人間を作っていきました。

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誰よりも現場を楽しむ片山監督が作り上げた極上の雰囲気

――撮影現場はどのような様子だったのでしょうか。

小栗:和気あいあいとしていました。とにかく片山監督がいちばん楽しそうに現場を過ごされていたので、みんな引っ張られるように明るい現場になっていました。全部で8ヶ月ぐらい撮影していたし、いろんな場所に撮影に行った際にはみんなと食事する時間もあって、スタッフさんも含めどんどん結束が高まっていきましたね。さらに片山さんの人柄もあり、みんな『片山さんが言っているから』というような感じで、すごく前向きにみんながトライしていく現場でした。

林:過酷なシーンもたくさんありましたし真夏のロケで日々大変でしたが、とにかくみんなが片山さんのことが大好きで、片山さんから生まれてくるものに常に期待感を持っている現場でした。凄く仲が良くて。僕も片山さんの演出が毎日楽しくてしょうがなくて。終わってから別の現場で知っているスタッフさんに『今、片山組でやっているよ』という話を聞くと、行きたくてうずうずしてしまいます。

UTA:皆さんのおっしゃる通り、片山監督は人間味がすごくあって人としての魅力みたいなものが湧き出ている方なのだと思います。だからこそ皆さんの片山監督のために、今回のチーム戦をできるだけ完璧に完成させていきたいという気持ちを、毎日その現場で感じていました。そういう部分が片山組の魅力であり力なのではないでしょうか。

広瀬:スタッフの皆さんが特に楽しそうな印象で、そこにどんどんキャストチームも入っていって、現場の雰囲気が本当によくて。いざ本番になると、そのシーンをどう仕上げていくかといったアイデアも豊富で、とても新鮮な現場だったなって思います。皆さんが楽しみながら作られている姿が景色として記憶に残るほど、豊かな現場だったなと思います。

小栗旬がまさかの疎外感!?「広瀬すずが人見知りはうそ!」

――小栗さんとUTAさんが実際に現場で共演されたのはどれぐらいあるのでしょうか。

小栗:生身で共演したシーンは最初の文庫ラーメンというところだけだと思います。UTAとも結果的に言うとそんなに現場では会ってはいない。むしろここにいる3人とはほとんど……それこそ富士太(林)は1回も会っていないしね(笑)。

UTA:今日いちばん1番長いんじゃないですか?(笑)

小栗:初めて広瀬さんと共演するシーンも、僕が車を運転してきて、隣に乗っている蒼井(優)さん演じる京子が、「華歩さん(広瀬)さんだ」と言って車を降りていく。すっごい向こう側にいて、ちょっと僕の視力では広瀬さんなのかどうかわからないという感じでした。

――そうなると共演エピソードのようなものは……?

小栗:僕が現場に行ったときには、広瀬さんを囲んでメイクさんや特殊メイクチームの皆さんが和気あいあいとしていて、楽しそうだなと端で見ていました(笑)。蒼井さんと広瀬さんは以前に共演していた流れもあって2人も仲良しだから、僕はちょっとした疎外感がありましたね(笑)。セットの中に僕らが控えるテーブルと椅子の場所があるのですが、なんか座りにくいなと。

――そんなことが(笑)。たまたま気づかなかっただけですよね?(笑)

広瀬:たまたまです(笑)。なんか楽しくなっちゃって、あとからその話を聞いてすみません……と。もともとキャスト陣の控え室に私と林さんがいたのですが、林さんから女性スタッフが集まっているところに「あそこに移動しない?」と誘ってくださって。その結果、俳優部の待機スペースになったんです。

小栗:そうなんだ!それは知らなかった。ただ僕が撮影に入ったときには「お兄ちゃん最高!」「富士太、超最高なんですよ」と、みんながめちゃくちゃ盛り上がっていて。そうなんですね……と(笑)。

――林さんは、みんなが和める雰囲気を作ったという意識はあったのでしょうか。

林:待機場所が用意されていて。セットだけでなくロケの現場でも、すずちゃんが女性スタッフ陣といつも仲良くしているのを見て、旬くんと同じ気持ちで「ここにいるのさみしいな」「その輪に入りたいな」という思いで、どちらかというと誘ったというより自分も参加したい気持ちでした(笑)。

小栗:劇中に出てくるグッズというか、美術で作ったものがあって。「富士太の恐怖地帯」というステッカー、あと僕が最初に現場に行ったときは、賀来(賢人)くんのホストのカードみたいなものが現場の至る所に置かれていて、なんだか疎外感が強かったですね(笑)。

UTA:それに関しては自分もすずちゃんと初めて一緒のシーンだったとき、やっぱり仲良さそうに話していて。その中で鮮明に覚えているのが、僕がメイクしている間にメイクさんが話しかけてくれるんですけど、僕がまだ緊張感があってうまく話せずにいると、すずちゃんに「UTAくん、まだ殻を破れていないよね」と言われて。ちょっとこれはもっとほぐさないとなと思いながら、どうやったらスタッフさんの中に溶け込めるのかをすごく考えました(苦笑)。ただ、もっと気軽に行っていいんだなと思って。僕も人のことが大好きだし人と話すもの大好きなので、その言葉を心に刻みました。

――広瀬さんを中心にあたたかな空気が醸成されていたのですね。

広瀬:みんなとずっと喋っていて、みんなもすごく喋りかけてくれるから、人見知りですけどすぐ皆さんと仲良くなれました。心地よくなりすぎちゃいました(笑)。

林:周りを接しやすくする力があるのだと思います。

小栗:僕の中で広瀬すずが人見知りだというのは、絶対うそだと思っています(笑)。

竹野内豊が眉毛を全剃り?キャストが明かすミステリアスな共演者

――“ガス人間”という存在には不気味さや謎めいた魅力がありますが、皆さんが「この人、ちょっとミステリアスだな」と感じた共演者は?

林:僕は高嶋(政宏 ※高=はしごだか)さん。

小栗:あのシーンは、ちょっと違う映画みたいだからね(笑)。

林:高島さん自身も一緒にお芝居しているとき、この人は何を考えているのだろうとおっしゃっていて(笑)。その思考にすごく興味がありますし面白かったです。

UTA:竹野内豊さんでしょうか。カットがかかった後も、片山監督のモニターで見ていたときにもうとにかく笑いが止まらなくて。とあるシーンでずっと踊っているんですけど、そういう竹野内さんの姿を見たことなかったので、役に入りきっているんだなっていうのもありながら、ちょっと面白いなって(笑)。周りが準備している間もラテンダンスみたいなのを一人でずっとやっていて、さすがだなと。これがミステリアスかどうかわからないですけど面白かったですね。

小栗:竹野内さんの役はミステリアスだよね。聞いていなければ森靖利が竹野内さんとは思わないからなあ。森靖利の若い頃を演じた野村(周平)くんが、眉毛を剃ってしまったので、竹野内さんも眉毛を剃りました(笑)。

広瀬:林さんかもしれない。現場に静かでいらっしゃって、ただアクションシーンっぽくワーと暴れるところとか、芝居へのスイッチが尋常じゃなく速くて。カットがかかってからの静けさまでも早く、びっくりしました。おすすめしたものも全部試してくださって柔軟性というか、不思議な空間に包まれたような感覚で現場をご一緒させてもらいました。

「これは愛の物語」 圧倒的な映像美とオリジナルへの敬意が満載

――特に注目してほしい要素やポイントを教えてください。

小栗:さまざまな愛の形がある作品だと思います。特にいちばん強いのがガス人間というものは一体何なのかというところに関する愛の物語だし、富士太と華歩の兄妹愛なども面白い話だなと。片山さんの作品は、どこかちょっといつふざけ始めるのだろうみたいなムードが流れているのにも関わらず、そういう人間的な部分をしっかりキャッチしているので。出来上がった作品を観ても、その愛の形みたいなものに心を打たれるところがすごくありました。

広瀬:完成した映像を観てガス人間ってこういうことかと、なんかハッとさせられるような、映像の力はすごく感じました。「すごっ…!」と素直に言葉に出てしまうぐらい、とても力強い映像。皆さんに楽しんでもらえると思います。

UTA:オリジナルの『ガス人間第一号』を観た方でも、今回のリブートを通して所々オマージュみたいなものを見つけられると思います。自分も観ていて、「こういうところでオリジナルへのオマージュがあるのか」と感じたり、あと音楽の壮大さというか、日本のドラマにはあまりないような新しい感覚の音楽もたくさん味わえたりできるので、そういったところもこの作品の唯一無二なところではと思います。

林:最後まで一気に観たくなる力があります。強いて言うなら、高嶋政宏さんとの面接シーンと、こばやし元樹さんのボウリングのシーンはあまり作品に関係ないかもしれないです(笑)。そういうのが盛り込まれているのは、やっぱり飽きさせないポイントなのかなとも思いました。