朝ドラ「マッサン」のモデル竹鶴政孝、妻リタに献げたウイスキーの真実
朝ドラ「マッサン」モデル竹鶴政孝と妻リタの真実

2014年のNHK朝ドラ「マッサン」の再放送が終了した。ドラマの最終週では、主人公・亀山政春(玉山鉄二)が亡き妻エリーへの思いを込めたウイスキー「スーパーエリー」がスコットランドで特別賞を受賞し、政春がエリーの墓前で献杯する場面が描かれた。この「妻の名を冠したウイスキー」には明確な史実のモデルがある。1962年に発売されたニッカウヰスキーの「スーパーニッカ」だ。

ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝の妻リタ(本名ジェシー・ロバータ・カウン)はスコットランド出身。竹鶴と結婚後、日本に渡り、余市の厳しい冬を避けて鎌倉や逗子で静養するなど、晩年は病気がちだった。竹鶴は出張続きで多忙だったが、できる限りの治療を受けさせた。

妻リタの死と竹鶴の慟哭

リタは1961年1月17日、結核と肝硬変の悪化により64歳で死去。竹鶴は最期を看取ったが、悲しみは深く、出棺を見送った後、火葬場には行かず、丸2日間自室から一歩も出なかったという。竹鶴は自伝『ウイスキーと私』で「かわいそうでならなかった」と綴り、もし英国で結婚していればリタはもっと生きたのではないか、戦時中に敵国人として受けた厳しい扱いが命を縮めたのではないかと悔やんだ。ドラマでも描かれたように、リタは戦時中、英国出身という理由で軍部から白い目で見られたという。

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竹鶴政孝はその後、生涯再婚しなかった。ニッカの業績は伸び、1956年に黄綬褒章、1960年に紺綬褒章を受けるなど絶頂期にあったが、最愛の妻を失った悲しみは消えなかった。

「スーパーニッカ」の真実

ドラマでは「スーパーエリー」と名付けられたが、史実の竹鶴は妻リタの名をウイスキーに付けていない。あくまで「スーパーニッカ」として発売された。ドラマのフィクションと史実の違いとして、朝ドラに詳しいライターの田幸和歌子氏は「竹鶴はスコットランド人の妻の名をウイスキーに付けてはいない」と指摘している。

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