セイコーのジャズ合宿10周年、若手演奏家100人が巣立つ
セイコーのジャズ合宿10周年、100人が巣立つ

時計大手セイコーグループが次世代育成のために始めた夏休みのジャズ合宿「Seiko Summer Jazz Camp」が10年を迎えた。今年は16~25歳の42人が都内で5日間、一流演奏家の手ほどきを受けた。熱気に満ち、明るい笑い声が響く授業風景が広がった。

同社は「時」を切り口に次世代育成へ力を注ぐ。音楽もまた「時間芸術」と呼ばれ、その支援にも取り組む。キャンプは、ニッポン放送出身で事務局長を務める佐々智樹さん(75)がジャズ教育を提案。ジャズピアニストで編曲家の前田憲男さん(1934~2018年)と親交のあった、創業家出身の服部真二会長(73)のもと、平成28年に始まった。今年を含め354人が受講し、トロンボーン奏者の治田七海さんら約100人が演奏家として活躍している。

今年の応募は175人、選ばれた42人が参加

今回の応募は175人に上り、選ばれた42人が8月10日から14日まで、会場の尚美ミュージックカレッジ専門学校(東京都文京区)に通った。ピアノやトランペットなど楽器別の講師は、いずれも米ニューヨークで活躍する演奏家たちだ。

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10周年の今年はジャズ作曲家の挾間美帆さん(39)を講師に迎え、「作曲・アレンジメント」コースも新設した。手がけたアルバムがグラミー賞にもノミネートされた世界的なジャズ作曲家の講義を、受講した3人だけが受けるというぜいたくな時間が流れた。その1人、神奈川県の高校2年、鈴木鵬生さん(16)は学校のジャズ研究部でトランペットを吹く。「作曲の能力はトランペット奏者として活動していくうえでも絶対に必要と考えて受講しました。技術の定石と作曲との向き合い方という哲学を教わりました」と授業を振り返った。

参加者と講師の声、今後の展望

石川県の高校2年、Amiさん(16)は、母親の影響でジャズに親しみ、地元の中高生ジャズ・オーケストラでベースを弾く。オーケストラの先輩から話を聞いて参加し「先生の助言を受けて、こうした方がいいのかという気づきや学びがたくさんあります」と目を輝かせた。そのベースの講師は中村恭士さん(44)。「教えることで学ぶこともたくさんある。若い人の技術は年々向上しているので、経験でしか得られないフィーリングのようなものを伝えていきたい」と話す。

同社コーポレートブランディング部の大槻浩太郎マネージャー(42)は「次世代の演奏家を育成することで、より深く刺さった企業ブランディングができると考え、今後も続けていきます。ジャズの世界でセイコーは有名ですよといってもらえるのがうれしい」と話した。

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