爆風スランプが7月22日にミニアルバム『今こそ!爆風スランプ』をリリースし、8月11日には35年ぶりとなる日本武道館公演を控える。サンプラザ中野くん(Vo)、パッパラー河合(Gt)、バーベQ和佐田(Ba)、ファンキー末吉(Dr)の4人に、新作への思いや武道館への意気込み、そして今だからこそ語れるメンバー同士の関係について聞いた。
再集結から約2年、手応えを語る
2024年の再集結から約2年。サンプラザ中野くんは「3週間に1回ぐらいリハーサルをしていて、それをもう3ヶ月ぐらいやっています。だんだん昔の感覚というか、会うのが当たり前、やるのが当たり前という感じになっていますね」と近況を語り、「感覚は取り戻せています」と再集結の手応えを口にした。
ミニアルバムの聴きどころ
ミニアルバムには「大きな玉ねぎの下で 2026」などのリアレンジ曲も収録される。パッパラー河合は「原曲のAメロはピアノなんですけど、今回はギターでやりました」とアレンジ面での変化に触れ、「爆風スランプにとってすごく大事な曲。石川さゆりさんの『天城越え』や『津軽海峡・冬景色』ぐらいの立ち位置の曲」と表現。「何度も録音しているし、何度も演奏しているけど、本当にいい曲だなと思う」と、あらためて楽曲の魅力を再確認している様子だった。
今回初音源化された「ええじゃないか 2026」は、バンド結成直後に生まれた楽曲だ。ファンキー末吉は「“ええじゃないか”っていう言葉と、EとGのコードだけで、その場で作り上げた曲なんだよね」と振り返る。当時、録音したデモを一緒に暮らしていた女性に聴かせたところ、「このバンドはすごいじゃない。このバンドは絶対成功する!」と言われたというエピソードを初めて明かし、メンバーからも「その話は知らない」と驚きの声が上がった。
また、「東の島にブタがいた Vol.3」にはベースソロも収録。バーベQ和佐田は「最近はロックバンドであまりソロをやらないですけど、せっかく腕利きのミュージシャンがいるバンドなので、それぞれのソロを楽しんでもらいたかった」と説明。「生々しいソロですよね。ヨレているんだけど、それをあえてそのまま使っています」と語った。
35年ぶりの武道館公演、メンバーの思い
8月11日に開催される35年ぶりの日本武道館公演について、中野くんは「武道館公演そのものはあまり覚えていない」と笑いながらも、「『東京ラテン系セニョリータ』のプロモーションビデオを会場のお客さん全員に踊ってもらって撮影したことは覚えている」と懐かしそうに振り返った。
一方、河合は「ファンの人は俺らが生きているのか、ちゃんとやっているのか心配していると思う」とし、「来て確認してほしいです。俺はまだ元気だというところを!」と呼びかける。そして「ライブに向けては体調8割、演奏2割。まず体調をちゃんと仕上げないと」と河合らしいコメントで笑いを誘った。
「今の爆風スランプをひと言で表すなら?」という質問に和佐田は「ちょっとかっこつけると、奇跡。奇跡です」と回答。「これだけ超絶個性的な人たちが4人集まっていることもそうだし、みんな健康で元気で、まだ現役バリバリでやっている。集まると必ず大きなエネルギーが宿るのも奇跡だと思う」とうれしそうに語った。末吉も、長く活動を続けられている理由について「みんな現役だから」と断言。「再結成に合わせてもう一度楽器を始めるようなバンドもあるけれど、僕らはずっとやってきた。進化した姿を楽しんでもらえると思う」と自信を見せた。
変わったメンバー、変わらないメンバー
取材後半では「一番変わったメンバーは誰か」という話題で大盛り上がり。末吉が和佐田について「腕よし、顔よし、性格よしの人が、お太りになられて、もう見る影もない!」とイジれば、河合からは「Facebookだと痩せて見える」と追撃が入り、和佐田は「ベースの技術だけじゃなく、撮られる技術もかなり上がりました」と切り返して笑いを誘った。
一方で河合は、「俺の中では、このメンバーの中でおかしいのは末吉さん」と指名。「そもそも日本から出ちゃったじゃん。90年代に中国に」と振ると、末吉は最近の中国での活動について「最近はアーティストのライブが中止になったりしているけど、不景気もある。ライブができないのは日中関係だけではないと思う」と説明。「武道館までは日本にいるけど、そのあとは中国に行く。その先はどうなるかわからない。中国のことはわからん」と苦笑した。
逆に変わらないメンバーとして名前が挙がったのは河合。末吉から「未だに遅刻をする」と暴露されると、中野くんは「それなのにこの人、芸能界で自分が一番常識あると思っているらしい」とニヤリ。河合も「寝ながら売れてぇなぁと思っている」と話し、末吉から「それも昔から変わってない」とツッコまれていた。
武道館公演への意気込み
武道館公演後について問われた中野くんは「成功しなかったら次はないなと思っている」と率直な思いを吐露。「26年間もサボっていたバンドなんで、本当にお願いします!」と笑いながらアピールした。
最後に中野くんは、爆風スランプを「事件性満載のバンド」と表現した。「今は綺麗なメロディーを綺麗に歌うことがいい音楽だと思われていて、音楽から事件性が失われつつある。爆風スランプは昔から事件性のある音楽をやってきました。武道館も事件性のある公演になりますので、ぜひ来てください」と呼びかけた。
すると河合が、「『大きな玉ねぎの下で』は1万回ぐらいやっているけど、今回は(この曲の舞台になった)武道館という特別な場所でやることになるでしょ。これは、出だしの歌詞を間違えると思う」とニヤリ。中野くんも「まさかの“ペンフレンド”が出てこない(笑)」と応じると、すかさず末吉が「いつも間違えるのはギターの人だけどね」とツッコミを入れ、最後まで爆風スランプらしい軽妙な掛け合いを見せていた。



