名画の里帰りに合わせ「幻の寺」旧蔵品も集結 奈良博・南都仏画展
名画里帰りで「幻の寺」旧蔵品も集結 奈良博・南都仏画展

奈良時代に国際色豊かな天平絵画が花開き、中世には仏画工房「南都絵所」で数多くの仏画や絵巻が生まれた。そんな奈良ゆかりの仏画が米国のボストン美術館から「里帰り」し、国内の名画と一堂に会する特別展「南都仏画―よみがえる奈良天平の美―」が、奈良国立博物館で18日に開幕する。主催は奈良博と朝日新聞社など。

ボストン美術館から13点が里帰り

ボストン美術館からは13点の「南都仏画」が来日。中でも「釈迦霊鷲山説法図」(8世紀)は、東大寺に伝わった天平仏画の名品「法華堂根本曼陀羅」として知られる。会期終盤には、この絵の釈迦三尊を忠実に模写した東大寺の国宝「倶舎曼荼羅」(12世紀)も同じ部屋で公開される予定だ。

また、ボストン美術館から里帰りした「四天王像」も展示される。これらの作品は、かつて奈良の「幻の寺」と呼ばれる内山永久寺にあったもの。同寺は江戸時代に廃絶し、所蔵品は全国各地に散逸したが、今回の展覧会では、世田谷観音所蔵の不動明王と八大童子像など、旧蔵品も集結する。

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天平絵画の美を現代に

特別展では、ボストン美術館からの里帰り作品に加え、国内の美術館や寺院から集められた約60点の仏画が展示される。天平時代から鎌倉時代に至るまでの作品が並び、奈良仏画の変遷をたどることができる。

奈良博の担当者は「ボストン美術館からの里帰りは今回が初めて。天平絵画の最高傑作を間近で鑑賞できる貴重な機会です」と話す。会期は8月25日まで。

内山永久寺の旧蔵品も注目

内山永久寺は、平安時代に創建されたとされるが、江戸時代に廃寺となり「幻の寺」とされてきた。同寺に伝わったとされる仏画の多くは、現在は国内外の美術館に分散している。今回の展覧会では、世田谷観音所蔵の不動明王と八大童子像のほか、奈良博所蔵の「阿弥陀如来像」などが展示され、幻の寺の至宝が一堂に会する。

また、ボストン美術館から里帰りした「四天王像」は、内山永久寺の旧蔵品であり、今回の展覧会で初めて日本に里帰りした。奈良博の学芸員は「これらの作品が一堂に会するのは、まさに歴史的な瞬間です」と語る。

会期終盤には東大寺国宝も公開

会期終盤の8月6日から25日まで、東大寺の国宝「倶舎曼荼羅」が同じ展示室で公開される。この作品は、「釈迦霊鷲山説法図」の釈迦三尊を忠実に模写したもので、12世紀の作。天平絵画の影響を受けた中世の仏画の傑作として知られる。

奈良博では「天平絵画の名品と、それを模写した中世の作品を同時に鑑賞できるまたとない機会です」と来場を呼びかけている。

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