ヒトは皆、黒い部分もグレーな部分もある。でも暗闇のほうを選ぶよりも、きれいな明るいほうを向くクセをつけたい。そんな気持ちにさせてくれるのが『銀河の一票』だ。「きれいごとじゃない、きれいなこと」というセリフのように、きれいなことを選択する物語が誕生したことを喜びたい。
登場人物の名前に込められた光のモチーフ
実は登場人物の名前も、星野、あかり、流星、昴、蛍、光留……と光を放つ文字が多い。「正しく強く生きる」というポリシーで選挙戦を戦ってきた「チームあかり」。はたして、あかりは都知事に選ばれるのか。
オープニング映像の「ちょっと気になること」
ドラマのオープニング映像で、「浜野謙太(在日ファンク)&後藤真希 feat. 黒木華&野呂佳代」の主題歌『おーへい』に乗って、あかりたちの周りで踊っている名もなき民衆たち。彼らの顔をはっきり映していないことがずっと気になっている。
このようにセリフのない群衆役を、演劇やミュージカルではアンサンブルと呼ぶ。皆、それぞれの役の人生を考えて動き踊る。その姿に注目する観客もいる。演出意図として、観客を投影しているということもある。
ところが、『銀河の一票』ではちょっと違う。群舞に勢いは感じるが、彼らの顔はほとんど映らない。この群衆――市民の生活のために茉莉たちは立ち上がっているはずなのだが。最後には彼らは消えて茉莉たちだけになる。なぜだろう。
演出意図:群衆にまぎれず、立ち上がる物語
オープニング映像の1コマ。ダンサーたちの顔はハッキリとは映っていない。ダンサーたちにもみくちゃにされた後、最後は主要登場人物の3人だけになった。はたして、この演出の意図は……『銀河の一票』は、視聴者の誰もがその他の群衆にまぎれるのではなく、茉莉やあかりのように立ち上がり声をあげる物語なのだ。



