俳優の佐藤二朗さんと橋本愛さんの間で起きた接触トラブルを巡り、SNS上で佐藤さんに対して「接触が嫌なら役者辞めろ」といった批判が相次いで寄せられている。この騒動の背景には、フジテレビの極度なリスク回避志向が影響している可能性があると、専門家は指摘する。
トラブルの経緯とSNSでの反応
問題となったのは、フジテレビ系ドラマ『夫婦別姓刑事』の撮影現場での出来事。佐藤二朗さんが共演者の橋本愛さんに対して過度な接触を行ったとされ、橋本さん側が不快感を示したという。この情報が一部メディアで報じられると、SNSでは佐藤さんへの批判が殺到。「役者なら多少の接触は当たり前」「嫌なら辞めろ」といった厳しい意見が多く見られた。
一方で、橋本さんに対しても「大げさだ」「プロ意識が足りない」といった声が上がり、双方に厳しい視線が向けられている。
フジテレビのリスク回避志向が招いた歪み
今回のトラブルは、単なる俳優間の軋轢にとどまらず、フジテレビの制作現場の現状を浮き彫りにした。2025年に中居正広さんと当時女性アナウンサーとの間で起きたトラブルをきっかけに、フジテレビはガバナンス不全を露呈。スポンサーのCM撤退が相次ぎ、同局は危機的な状況に陥った。
同年10月には、バラエティ番組『酒のツマミになる話』で、お笑いコンビ・千鳥の大悟さんが松本人志さんの仮装を行ったところ、フジテレビ側が問題視し、放送内容を急遽差し替える事態が発生。この件で千鳥の2人は番組を降板し、番組自体も年内で終了となった。
こうした事例からも分かるように、フジテレビはコンプライアンスを重視するあまり、極度のリスク回避志向に陥っている。そのしわ寄せが番組制作現場や出演者に及んでいるというのが、今回の事案の共通した背景だと、マーケティングコンサルタントで桜美林大学准教授の西山守氏は指摘する。
「誰も幸せにならない炎上」を防ぐために
テレビ局のコンプライアンス遵守は時代の流れとして不可欠だが、それによって現場が疲弊しているのも事実だ。この状況を改善するには、テレビ局側の方針を現場レベルにまで十分に浸透させることが必要だ。
また、情報の受け手側の意識改革も重要である。本件には多くの人が関わり、それぞれ異なる認識を持っている。しかし、外部から確認できるのは各当事者や関係者の公式発表のみだ。断片的な情報や推測、臆測に基づいて断定的な評価を下すことは慎むべきであり、誹謗中傷は絶対に行ってはならない。
現代では、視聴者も含め、すべての人や組織が「メディア」となっている。発信する情報には責任が伴うことを、万人が自覚すべきだろう。



