精神科医のTomy氏は、著書『人生迷子-立ち止まったときの処方箋-』(ワニブックス)の中で、大人の人間関係についてユニークな視点を提示している。孤独を恐れて無理に人とつながろうとする大人に対し、「無理につくる人間関係よりも大事なものがある」と伝えたいという。
子どもの頃の「自然な友達」はなぜ減るのか
子どもの頃は、学校という「場」が勝手に人を集めてくれたため、気軽な友達が多かった。仲良くなろうと意識しなくても、毎日顔を合わせるだけで関係はできていた。しかし、年を重ねるとそうはいかなくなる。
大学生になるとクラスはあるものの、それぞれ取る単位が違い、ゼミもある。毎日みんなで顔を合わせる場所はなくなっていく。サークルや部活があるが、Tomy氏はどこにも所属しなかったため、まずここで少しさみしさを感じたという。
社会人になるとさらに変化
社会人になると、結婚した人には家庭ができ、仕事が忙しくなり、それぞれがそれぞれの人生を歩み始める。学生時代のように「今日どうする?」と軽く声をかけられる関係は、どうしても減っていく。気が付けば、友達はいるけれど「しょっちゅう会える人」はいない。これは誰でもそうで、あなたに問題があるわけではなく、大人になると友達は自然に減るものだとTomy氏は指摘する。
「意図的に作らないと増えない」が大人の人間関係
「意図的に作らないと、増えない」。これが大人の人間関係の現実だ。だから、気軽に誘える人がいないと感じたら、意図的に接点を作る必要がある。それだけの話だとTomy氏は言う。
具体的な接点として、同じ職場の人、近所の人、同じ場所で定期的に顔を合わせる人などが挙げられる。接点が多い人でなければ、「気軽さ」は生まれない。Tomy氏自身はスポーツジムなど定期的に通う場所をいくつか持ち、顔を見知った人と少し話すことで、人とのつながりを保っているという。
「顔見知りと少し話す」で十分
Tomy氏は、無理に親密な関係を築こうとしなくても、顔見知りと少し話すだけで十分なつながりが得られると強調する。孤独を恐れて無理に人間関係を作ろうとするより、自然な形での接点を大切にすることが、大人のメンタルヘルスにとって重要だという。



