映画「開戦前夜」の上映差し止めを請求、NHKなど提訴の原告側が追加請求
映画「開戦前夜」上映差し止め請求、原告側が追加

NHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」で祖父の名誉が傷つけられたとして、孫の男性がNHKなどを相手取って損害賠償を求めている訴訟の第3回口頭弁論が22日、東京地裁で開かれた。原告側は、番組のドラマパートを拡大した映画「開戦前夜」の上映などの差し止めの請求を追加した。被告側は争う姿勢を示した。

映画は31日から公開予定。製作委員会は「予定に変更はない」としている。

訴訟の経緯と原告の主張

「シミュレーション」は昨年8月に放送された、日米開戦前に設立された総力戦研究所を題材にした番組。ドラマ部分で所長が若手に圧力をかける人物として描かれたことを受け、実際に所長を務めた陸軍中将の故・飯村穣さんの孫で、元外交官の飯村豊さんが昨年12月に「祖父の社会的評価を低下させる」「故人を敬愛してきた原告の感情を著しく害する」などとして提訴した。

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今回追加したのは、映画版の製作委員会を構成するNHKエンタープライズ、東京テアトルなど4社に対する、国内外での上映や放送、配信、DVD販売などの差し止め請求。観客が、劇中の登場人物と祖父を「同一視することは必然」といえる内容で、ドラマ版よりも否定的に描かれる場面が増えたため、原告の人格権がさらに侵害されるなどと主張している。

製作委員会の反論

映画をめぐっては昨年末、飯村さんが公開中止を求める声明を発表した。その後、今年6月に製作委員会も声明を公表。本作は「歴史的事実に着想を得たフィクション」だとし、描こうとしているのは「なぜ国家が開戦を止められなかったのかという、当時の社会の雰囲気」で、「原告の祖父は本作に登場せず、当然のことながら同氏の人格や人物像を描く意図もない」などと説明。「公開を中止することは、歴史的事実や実在の組織・事件を題材とする表現活動に重大な萎縮をもたらしかねない」と主張した。

また、7月21日に出した新たな声明では、劇中に登場する人物と飯村穣さんとは「名前も外見も階級も異なる」ため、「故人である飯村穣氏の名誉が毀損されたり、原告の敬愛追慕の情が侵害されたりすることはないと考えている」と主張した。原告の懸念を踏まえ、映画版では「所長」という肩書や呼称を使わない措置を講じ、「テレビドラマ版および映画版のいずれにも法的な問題がないとしても、原告の主張に可能な限り配慮した」としている。

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