「だから、三橋と会った高校生は、本当に怖かったんだと思う。つまり、脅したのと同じことなんだ」
「そりゃあ無茶な話だ」
「高校生がヤクザを怖がるのは普通の話なんだよ」
「私らだけじゃなくて、警察だって怖いでしょう」
「悪いことしなきゃ、怖くないよ」
「善悪の境界線なんて、実に曖昧なもんだ。誰だって罪を犯す可能性があるんですよ」
「警察官だからね。そのへんのことはよく知っているつもりだよ」
「これは失礼しました。……さて、お忙しいところをご足労願ったんだ。無駄話している暇はありませんね」
「そうだよ」
甘糟は思い出したように言った。「情報を聞きに来たんだ」
「私らは、健一のやったことについては、何も知りません」
甘糟は泣きそうな顔で言った。
「じゃあ、何で俺を呼んだのさ。脅しでもかけるつもり?」
「警察の旦那に脅しをかけるばかはいません。私らは事情を知らない。でも、いろいろと事情を知っているらしい人物を知っています」
「事情を知っているらしい人物? 誰のこと?」



