藤井聡太王位に伊藤匠二冠が挑戦する伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)は、第1局が7月4日・5日に静岡県浜松市の「浜松八幡宮楠倶楽部」で行われた。対局の結果、得意の角換わり右玉を駆使した伊藤二冠が138手で勝利。貴重な後手番勝利で自身初となる王位獲得に向け好スタートを切った。
最先端の右玉研究
例年7月に開幕する王位戦は夏の風物詩。挑むのは7度目のタイトル戦登場となる伊藤二冠で、この日は鮮やかな浅葱色の和服に身を包んでの登場となった。振り駒が行われた開幕局は藤井王位の先手で角換わりへと進展。伊藤二冠が右玉に変化したのは予想された展開のひとつで、手待ちの間に藤井王位は穴熊の堅陣に組み上げ戦いの時を待った。
伊藤二冠の軽い桂跳ねで戦い開始
伊藤二冠の軽い桂跳ねで戦いの火ぶたが切られた。決断の一手とはいえ費やした時間はわずか1分。深い事前研究のほどがうかがわれ、この手を見た藤井王位は局後「仕掛けられそうと思ったが実際に指されていい指し方が見つからなかった」と脱帽。開き直って攻め合いに持ち込んだのは実戦的な解決策だったが、桂を渡したことで反撃が厳しく残った。
勝負の分かれ目は1日目に
伊藤二冠の封じ手が開かれ戦いは2日目に突入。自玉そばに大きな拠点を許した藤井王位としては暴れていくよりないが、作られたと金を取り除くのに自陣飛車を投入するよりないようでは苦しい限り。玉飛接近の悪形はいとも簡単に攻略され終局間近の声も上がる中、使えていない飛車を捨てて急所の成桂を外したのはさすがの勝負手だった。
伊藤二冠の充実ぶり光る決め手
伊藤玉にも王手がかかり始めて戦いは泥沼化。不穏な空気も流れるが、自玉の不詰めを読み切って金を取ったのが伊藤二冠の充実ぶりを示す決め手となった。攻防手で、これにより伊藤玉の入玉ルートができたことで後手優勢が明確に。終局時刻は18時20分、伊藤二冠の後手番での快勝譜となった。
藤井王位「1日目で形勢損ねた」と悔しさ
開幕局を落とした藤井王位は「1日目で少し形勢を損ねた」と悔しさをのぞかせた。注目の第2局は7月15日・16日に兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で行われる。
伊藤二冠は「しっかり時間を使って(終盤を)指せて充実感ある時間だった」と好局を振り返った。



