TBSの7月期金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』が、登場人物たちの言動に対する賛否両論で盛り上がりを見せている。
脚本家・生方美久はTBS番組公式サイトで「共感や感動を目指した物語ではないので、人間観察の感覚でお楽しみください」と語っている。これに合わせて、主演の蒼井優も「生方さんがおっしゃるように、共感や感動とはまた違う作品。『わーっ!』と思いながら見ていただけたら」とコメント。共演の中島歩も「安易な共感や感動を寄せつけない野心的で挑戦的な作品になると思います」と述べている。作家と俳優の3人がそろって「共感や感動がない」ことを放送前コメントとして強調している点が異例だ。
ネガティブな意味ではない「共感や感動がない」
SNS上では「共感や感動がない」という言葉をネガティブに捉える声もあるが、プロデューサーの千葉行利は「綺麗ごとは一切なしの毒入りのヒューマンドラマをお届けしたいと思います」と語っている。つまり、このドラマは優しく温かい、そのままでいいと受け止める世界ではない。視聴者の価値観を揺さぶる内容だと想像される。昭和時代の向田邦子や山田太一が書いたような、人間の深淵に迫るハイクオリティなドラマが期待できるかもしれない。
不倫ドラマのパターンを崩す演出
物語は2組の夫婦の複雑な関わりを描いており、一見すると不倫ドラマかと思わせる。しかし劇中では「同じ境遇で意気投合して喪失を埋めるように惹かれ合った」といった、不倫ドラマの定番設定を揶揄するようなセリフがある。また、クライマックスで主題歌が流れ、咲子と樹生がタバコとシャンプーの思い出に浸りながら近づくというロマンティックなパターンを、しれっと崩して感動させない演出が施されている。距離が一気に近づくシーンでの2人の言動には、賛否が巻き起こっている。



