7月期金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系)第1話のラストは強烈なクリフハンガーだった。主人公・咲子(蒼井優)の夫・充(松山ケンイチ)はバス事故で行方不明に。コインランドリーで知り合った樹生(中島歩)の妻・あずさ(夏帆)も同じ事故で亡くなっていた。樹生は咲子に「あなたの夫、僕の妻と不倫してましたよ」と告げる。
蒼井優が物語の求心力
第2話では決定的な証拠はなく、樹生の妄想に近い内容だった。しかし、毎週第三金曜日に既婚者同士が会い、事故当日2人は長野にバス旅行に行っていた。事故の被害者のスマホ映像には、バスで隣に座り仲睦まじく会話する充とあずさが映っていた。
咲子は夫を信じる。彼女は夫婦間の自由を認めるタイプで、充とあずさは単なる友達だと考える。一方、樹生は神経質で、妻が他の男と仲良くしているのを見て不倫を疑う。2人をこっそり観察し確信を深めるストーカー気質もある。
「共感や感動がない」の真意
本作には「共感や感動がない」という声もあるが、それこそが意図的な演出だ。蒼井優の演技は、透明感がありながらもどこかくすんだ雰囲気を醸し出し、視聴者の共感や感動をやんわりと回避する。『ガス人間』でも同様の手法が見られ、スポットライトが自然に彼女に当たる。



