愛媛の泊まれる銭湯「大正湯+plUS」薪で湯を沸かすスタイル守る 家族会議で改革決断
愛媛の泊まれる銭湯「大正湯+plUS」薪で湯を沸かすスタイル守る

愛媛県八幡浜市にある「大正湯+plUS」は、大正時代から続く銭湯に宿泊機能を加えた「泊まれる銭湯」として、薪で湯を沸かす昔ながらのスタイルを守りながら存続を図っている。

存続の危機から家族会議で改革

大正4年創業の「大正湯」は、地元の常連客に支えられてきたが、平成27年頃に老朽化で休業を余儀なくされた。後継者となった夫婦は、家族会議を重ね、夫の時英さんが「地域の社交場をなくしてはいけない」と決心し、大規模修繕を経て平成28年に営業を再開した。

妻の砂智子さんは、夫の「やめるのはいつでもできるがもう一度始めるのは大変」との言葉に背中を押され、助産師として勤めていた市立病院を退職し、経営に携わるようになった。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

宿泊機能をプラスし、人気に

令和元年には浴室にサウナを設け、使っていなかった2階を簡易宿所に改修し、「大正湯+plUS」と改名。宿泊客は追加料金なしで銭湯を利用でき、ネット予約も可能にしたことで、予想以上の稼働率となっている。

市内に住む祖父母に会うため宿泊した東京都の会社員、石原祐之介さん(28)は「幼い頃、大正湯に来た記憶がある」と懐かしみ、家族旅行で訪れた島根県飯南町の中学校職員、梶川光夫さん(48)は「子供が喜びそうな宿を探していた。ゆったりとお風呂につかれるのがいい」と笑顔を見せた。

伝統を守り、新たな一歩

3代目の山内実さん(86)は、長年釜の番を続け、かまぼこ板の端材や廃材を燃料に使う。娘夫婦の決断に「大変な仕事だから私から継いでくれとは言えなかった。感無量だ」と感謝する。

砂智子さんは今も月に数回はクリニックで出産に立ち会うほか、昨年9月からは先輩助産師と一緒に訪問・日帰り型の産後ケア事業も始めた。時英さんは「フル稼働なのが心配」としながらも、「60歳までは2人で踏ん張って、余力があれば先を考えたい」と語る。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ