やさしい甘さを守り続ける、みなべ町の老舗パン屋「室井製パン所」
やさしい甘さ守る老舗パン屋 みなべ町の室井製パン所

和歌山県みなべ町で70年以上にわたり町民に親しまれ、3代続く老舗パン屋がある。1954年創業の「室井製パン所」だ。梅畑や田園が広がるのどかな住宅地に、こぢんまりとした工場を併設する。

定番商品とやさしい甘さ

店頭には朝早く焼き上げたメロンパンやピーナツロールなどの菓子パン(税込み150円)を中心に20種類以上を並べ、周辺市町のスーパーにも卸している。厚さ約1.5センチの食パンにマーガリンを塗り、砂糖をまぶした「ホームパン」は、シャリシャリとした砂糖の食感とやさしい甘さが癖になる。パン生地は水分量を多めにし、しっとりやわらかく香り豊かだ。「フライ揚げパン」は手のひらサイズの揚げパンに自家製こしあんが詰まり、一口かじると油と甘いあんが混ざり合い幸福感をもたらす。ポップな書体でシンプルなデザインの包装は創業当時から変わらず、「レトロでかわいい」とSNSでも話題だ。

3代にわたる継承

3代目店主の室井勝之さん(51)によると、太平洋戦争に出征した祖父の賀寿雄さんが終戦後に開業した。祖父と父の健さんが働く姿を見て育ち、大学卒業後、専門学校でパン製造を学び、20歳代後半から店に立つ。大切に受け継いでいるのは「甘さが重たくなり過ぎない、絶妙な味の加減」だといい、「子どもからお年寄りまで、毎日食べてもらいたいから」と話す。買いに来ていた地元の70歳代女性は「子どもの頃からのなじみの味。家族も皆、やわらかい生地とやさしい味が大好き」と語った。室井さんは「何世代にもわたって食べてもらえるよう、味を守り、店を続けていきたい」とほほ笑む。

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店舗は和歌山県みなべ町東吉田129の1。営業時間は午前8時~午後6時半。日曜・祝日定休。問い合わせは0739-72-2344。

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