ハワイアンカフェ「コナズ珈琲」の新業態戦略と課題:KONA‘Sが挑むブランド多角化の舞台裏
コナズ珈琲の新業態戦略と課題:KONA‘Sのブランド多角化

ハワイアンカフェ「コナズ珈琲」を運営するKONA'S(東京都渋谷区)が、2026年に入り2つの新業態を相次いで立ち上げている。3月には「いちばん近いサンセット」をコンセプトにしたカフェブランド「KNOWS COFFEE(ノーズコーヒー)」を千葉県のイオンモールつくばSouthにオープン。5月には「ハワイのご馳走」をコンセプトにしたダイニングレストラン「goodNess(グッドネス)」を埼玉マークシティに出店した。さらに、5月には長野県諏訪市のレイクタウンアウトレットに2号店も構えている。

コナズ珈琲の好調と新業態開発の理由

コナズ珈琲は、トリドールホールディングスから分社化したKONA'Sが運営。全国に55店舗を構え、週末には行列ができる人気店だ。新業態のノーズコーヒーも期待が高く、開業時から行列ができたという。レイクタウンアウトレット店も、現在も想定以上の混雑が続いている。しかし、コナズ珈琲が好調にもかかわらず、なぜKONA'Sは積極的に新業態を展開しているのか。

「非日常のハワイ空間」と新業態の住み分け

KONA'Sの衛藤裕介社長は、その理由について「コナズ珈琲は『非日常のハワイ空間』をウリにした既存ブランドだが、それだけでは取り込めない客層がいる」と説明する。新業態のノーズコーヒーは「いちばん近いサンセット」を、グッドネスは「ハワイのご馳走」をそれぞれコンセプトに、異なるニーズに対応。特にノーズコーヒーは、コーヒーとサンセットの雰囲気を手軽に楽しめる点を強調し、日常使いしやすい価格帯とメニューを提供している。

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衛藤社長は「コナズ珈琲は特別な日に訪れる場所というイメージが強いが、ノーズコーヒーはもっとカジュアルに、日常的に利用してほしい」と語る。これにより、同じハワイアンテイストでも、ブランドごとに明確な住み分けを図っている。

新業態「goodNess」の挑戦

一方、グッドネスは「ハワイのご馳走」をテーマに、ロコモコやガーリックシュリンプなど、ハワイの家庭料理をより本格的に提供。コナズ珈琲よりも食事メニューを充実させ、ディナータイムの需要も取り込む狙いだ。埼玉マークシティへの出店は、ファミリー層や若いカップルをターゲットにしている。

衛藤社長は「コナズ珈琲の強みは、非日常感とハワイの空気感。しかし、それだけではリピーターを増やすのに限界がある。新業態で日常使いのシーンを増やし、ブランド全体のファンを拡大したい」と戦略を語る。

既存ブランドとの差別化と課題

新業態の展開には、既存ブランドとのカニバリゼーション(共食い)を避ける工夫が欠かせない。KONA'Sは、メニュー構成や価格帯、店舗デザインを各ブランドで明確に差別化。ノーズコーヒーはコーヒーとスイーツ中心、グッドネスは食事中心と、役割を分担している。

しかし、課題も残る。コナズ珈琲の人気に依存しすぎると、新業態が独立したブランドとして認知されにくいリスクがある。衛藤社長は「新業態はあくまで独立したブランドとして育てたい。コナズ珈琲の看板に頼らず、それぞれのコンセプトで勝負する」と強調する。

今後の展望

KONA'Sは今後も新業態の出店を計画しており、2026年内にさらに数店舗をオープンする予定だ。衛藤社長は「ハワイアンテイストを軸に、さまざまなシーンに合わせたブランドを展開していく。コナズ珈琲で培ったノウハウを生かしつつ、新しい挑戦を続けたい」と意気込みを語る。

コナズ珈琲の好調を背景に、KONA'Sは新たな成長戦略を模索している。既存ブランドの強みを維持しながら、新業態で市場を開拓する試みは、今後の外食業界の動向を占う上でも注目される。

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