鎌倉の小町通りに店を構える和菓子屋「ともや」が、コロナ禍で観光客が激減する中、二代目夫婦が考案した「大仏さま焼き」で1日1000個を売り上げる人気店に成長した。ほほえむ大仏の顔をかたどったこのお菓子は、SNSで自然と拡散され、連日写真が投稿され続けている。
コロナ禍で生まれた開運土産
和菓子屋「ともや」は、先代から続く今川焼きの店。しかし、新型コロナウイルスの影響で観光客が激減し、経営は危機に瀕していた。二代目の祐介さんと妻の亜実さんは、打開策として新たな商品を開発。鎌倉のシンボルである大仏をモチーフにした「大仏さま焼き」を考案した。見た目のかわいらしさだけでなく、開運土産としての要素も取り入れ、SNSで話題を呼んだ。
味へのこだわりが生むリピーター
「やっぱり大切にしたいのは味。見た目だけでおいしくなかったらダメだよね、といつも夫と話しています」と亜実さんは語る。製造を担当する祐介さんは、先代から続く和菓子づくりのこだわりを継承。素材選びにも亜実さんが参加し、きな粉ひとつにしても全国から取り寄せて食べ比べをする。レシピは先代の今川焼きをベースに改良。焼き方に工夫を凝らし、中身がぎゅっと詰まった食感が特徴だ。
SNS映えと食品ロスへの思い
「以前ニュースで、新大久保のあたりで、インスタ映えのする食べ物を写真だけ撮って捨てる人がすごく多いというのを見て。捨てられちゃうのは悲しいですよね。ちゃんと食べてほしいなと思って作っています」と亜実さん。その言葉通り、大仏さま焼きは見た目だけでなく、味にも徹底的にこだわっている。お団子は国産米100%の米粉を使用し、タレもすべて自家製。ベーコンは小町通り沿いの精肉店「東洋食肉店」から厚切りを毎日仕入れている。
高品質な素材へのこだわり
大量に安いものを仕入れることはせず、国産中心の高品質な素材を取り寄せている。あんは北海道産の小豆と甜菜糖を使用。鹿児島から直送される紫芋も人気の具材だ。こうしたこだわりが、リピーターを生み出し、口コミで広がる要因となっている。
「今ある店を丁寧に育てていきたい」
亜実さんは「今ある店を丁寧に育てていきたい」と語る。コロナ禍で一時は観光客がまばらだった小町通りも、今では平日・週末問わず行列ができるまでに回復。大仏さま焼きは、鎌倉の新たな名物として定着しつつある。



