鎌倉の観光地・小町通りにある和菓子屋「ともや」が販売する「大仏さま焼き」が、観光客が減少する中で1日1000個を売る人気商品となっている。二代目店主の祐介さんと妻の亜実さんが考案したこの開運土産は、ほほ笑む大仏の形が特徴で、SNSでも話題を集めている。
先代から引き継いだ店の転機
祐介さんは先代が体調を崩したことをきっかけに店の手伝いを始め、2017年に二代目として引き継いだ。かつては若宮大路と小町通りの2カ所で営業していたが、先代の死去後は若宮大路の店舗を閉め、家族で小町店を切り盛りしている。
祐介さんの代でまず変えたのは店のスタイルだ。先代から続く今川焼きや酒饅頭、みたらし団子といった定番和菓子を守りつつ、時代の変化に合わせて冷たい甘味を増やした。
夏場の課題と冷菓の導入
夏場の鎌倉は小町通りよりも海方面への観光客が多く、暑さで今川焼きや饅頭の売り上げが落ちる。そこで「ともや」の存続を考え、ソフトクリームやかき氷などの冷菓を導入した。ソフトクリームは北海道産ミルクを使った濃厚なベースに15種類のソーストッピング、かき氷のシロップは20種類ほどを用意。中にはわらび黒蜜やみたらし団子といった和菓子屋ならではのメニューもあり、夏場の集客に成功した。
差別化への渇望と偶然のきっかけ
しかし亜実さんは「お団子も今川焼きもソフトクリームもどこにでもある。差別化しないと店を続けるのは難しい」と感じていた。そんな中、先代からの看板商品・今川焼きの焼き型が壊れるという偶然が訪れる。買い替えようとする祐介さんを亜実さんが止め、「ないなら、自分で描いてみよう」と新しい商品開発に乗り出した。
大仏さま焼きの誕生
こうして生まれたのが「大仏さま焼き」だ。鎌倉のシンボルである大仏をかたどり、ほほ笑む表情が特徴。中にはあんこやクリームが入り、開運土産として観光客に人気を博している。1日1000個を売り上げる日もあるという。



