豪雪地・岩見沢の宝水ワイナリー、雪を生かしたワイン造りと温暖化への挑戦
豪雪地・岩見沢の宝水ワイナリー、雪生かすワイン造り

北海道岩見沢市の「宝水ワイナリー」は、約9ヘクタールのブドウ畑を有し、冷涼な気候と雪を生かしたワイン造りで国内品評会でも受賞を重ねている。収穫半ばの10月上旬、畑の葉は赤く色づき、間もなく訪れる雪の季節を予感させた。

地域振興から生まれたワイナリー

ワイナリーは、倉内武美社長(80)らが2004年、当時の市長の勧めで、地元農家のブドウ畑を地域振興に生かそうと設立した。かつて海底だった畑はミネラルに富み、冷涼な気候が育む清冽な味わいが強みだ。

日当たりによる造り分けも特徴で、林の影が差す斜面上部の実は酸味を生かしたワインに、日当たりの良い中腹はコクのある味わいに仕上げる。

「雪」が支える品質とブランド

同市は年間平均約6.6メートルの雪が降る国内有数の豪雪地帯。雪解けが遅く栽培期間が短いため、天候に合わせて剪定や収穫を急ぐ。冬は木を雪の下に寝かせ、厳寒から守る布団として生かす。

雪を慈しむ思いは、雪の結晶を表す「六花」にちなむ看板ブランド「RICCA(リッカ)」の名にも宿る。ワインの名醸地・山梨県出身で、14年に移住、入社した醸造担当の久保寺祐己取締役(37)は「豪雪地帯で世界的品種を育てる珍しさこそ、岩見沢の個性。栽培、醸造、販売まで1か所で担えるのも、広大な北海道の魅力」と語る。

温暖化への適応と未来への思い

近年は温暖化や夏季の猛暑による味の変化も課題だ。昨年は気候変動を見据え、酸味を保ちやすいリースリングや湿潤な環境に強いアルバリーニョなども植えた。「50年、100年と続いてこそ、産地の価値が生まれる」と久保寺さんは力を込める。変わりゆく風土と向き合い、幾世代も先の一杯に思いをつなぐ。

宝水ワイナリーは岩見沢市宝水町364の3にあり、道央道三笠ICから車で約10分、JR岩見沢駅から車で約15分。直売所は午前10時から午後5時まで、1~3月は火・水曜定休。問い合わせは同社(0126・20・1810)。

自慢の一本として、「RICCAシャルドネ2025」(白、税込み2950円)はリンゴを思わせる華やかな香りとキリッとした爽やかな味わい。「オレンジピンク2023」(ロゼ、税込み2200円)はポートランド種などを使用し、キャンディーのような甘い香りと果実味で食後酒にもお薦め。いずれも750ミリ・リットル。