「男子厨房に入らず」が過去の話となった今、男性料理研究家の本が売れている。その一人、はらぺこグリズリーさんは、世界一美味しい手抜きご飯を掲げ、初心者に自炊の楽しさを伝える。
幼稚園児の頃から食いしん坊
幼い頃から食いしん坊だったといい、「幼稚園児のときすでに目玉焼きを作ってその上にケチャップで絵を描いていました」と振り返る。
手抜きレシピの発信は1人暮らしを始めたのがきっかけ。「おいしいものが食べたくて、自炊しようとしたんです。でも、レシピは2人分や4人分のものが多く、1人分を作るには分量を計算し直す必要がありました」と話す。
従来のレシピは自炊のハードルに
工程が複雑なものもあり、分量や切り方の表現も分かりにくく、料理初心者が「さあ自分で作ろう」と思っても、「くし形切りって?」「コリアンダーなんて持っていない」と気持ちが折れてしまうかもしれない。従来のレシピは自炊のハードルになるのではと感じたという。
それならと、慣れない人でも身近な材料と少ない工程で1人分の料理がおいしく出来上がる、そんなレシピを自ら発信するようになった。
数字で示し、写真で説明
「僕は不器用で、決して料理上手ではありません。だからこそ『料理って難しそう』と苦手に感じる人の気持ちはよく分かります」と語る。
未経験でもすんなりと理解できるように、レシピ本では「少々」「適量」との言葉は使わず、「コショウ3ふり」など必ず数字で分量を示し、食材の切り方は写真で説明する。
調理家電も自分なりに工夫して使う。唐揚げは、大量の揚げ油を使わなくてもおいしく、香ばしくなるように、オーブンで「揚げない」作り方を考案。うどんは全ての材料をどんぶりに入れて電子レンジで加熱して混ぜる方法で作ることもできる。
こうした工夫を重ね、おいしくて「自炊のハードル」が下がるレシピを発信している。
まずは食べたいものを簡単に
料理を始めることにためらいがある人には、「まずは食べたいものを簡単なレシピで作ってみてほしい。おいしくできたら、次は別のレシピを試したくなるし、誰かに食べてもらいたくなる。するとどんどん、料理が楽しくなりますよ」と勧める。
はらぺこグリズリーさんは、平成26年に料理ブログを開設。3カ月後に投稿した『世界で1番美味しい煮卵の作り方』が反響を呼び、レシピが書籍に。3冊目の著書『世界一美味しくて健康的なズボラ飯』は、今年の料理レシピ本大賞(料理部門)の準大賞に輝いた。