関東地方でおでんの具として親しまれている「ちくわぶ」。小麦粉を塩などと混ぜて練り、ちくわのように成形した食べ物だが、西日本などではあまりなじみがないという人も多いかもしれない。読売新聞が運営するユーザー投稿サイト「発言小町」には、ちくわぶをすき焼きなど鍋物や煮物に幅広く使っているという女性の投稿が寄せられた。
すき焼きにも「当然のようにちくわぶを入れる」
投稿したトピ主の「にゃんぱ」さんの家では、母親の好みなのか、鍋物や煮物など具材に味を染み込ませる料理には大抵、ちくわぶが入っている。ある日、友人宅ですき焼きを食べることになり、食材の買い出しに行った時の出来事。友人たちがそれぞれ好きな食材を買い物カゴへ入れていき、トピ主さんが当然のようにちくわぶを入れた。すると、友人の一人が「誰がちくわぶを入れた? 誰か、おでんと間違えているよ!」と言い、他の友人たちがこれに同調したという。「その時初めて、他の家庭では、すき焼きにちくわぶは入れないことを知り、びっくり」。トピ主さんはそう打ち明けた。
このトピに対して、「我が家のすき焼きにも『ちくわぶ』が入っています」と応じたのは、「紫」さんだ。「こんにゃくやお豆腐、ちくわぶなどを売っている近所のお店でも、ちくわぶのポップに『おでん・すき焼きなどに!』って書いてありましたけど」と説明する。30年ほど前に東京から名古屋に嫁いだという「がーこ」さんは、「当時は、ちくわぶが(名古屋の)スーパーに売っていなくて、すき焼きやおでんの時、困りました」と振り返り、「すき焼きに入れる」派であることをアピールした。
一方で、「おでんにちくわぶはマストで大好きで取り合いでしたけど、おでん以外で食べたことはなかったですね」とコメントしたのは、「まりこ」さんだ。「ミーちゃん」さんは「家庭ごとの違いは面白いですよね。作り手のセンスや好みが加わっています。実家では、ちくわぶを食べたことがなく、いまだに私の(料理の)レパートリーにちくわぶは入っていません。主人の家のおでんで知りました」と打ち明けた。
ちくわぶは「どんな料理にもできる」
ちくわぶ料理研究家の丸山晶代さんによると、ちくわぶのギザギザした形には、表面積が増えることで味が染み込みやすくなる効果があり、煮込み料理や鍋料理に入れるとおいしく食べられる。「私の家でもトピ主さんのおうちのように、母が煮物などにちくわぶを入れていました。ちくわぶ料理研究家になったのは、ちくわぶには味が付いていないので、『どんな料理にもできる!』と思ったからです」と、丸山さんは振り返る。
ちくわぶの魅力はそれだけではない。ゆでた状態で販売されているため、自宅で切って料理に入れるだけで簡単に使えること。また、多少の地域差はあるものの、1本100~200円程度と低価格で、コストパフォーマンスが良いこと。さらには、同じく小麦粉が主原料のうどんなどの麺類とは異なり伸びないことや、真空パック包装であれば賞味期限が1~2か月程度と長いことなどが、メリットとして挙げられる。
丸山さんがこれまでに考案したちくわぶのレシピは、500以上に及ぶ。「小麦粉なので、焼いたらパンのように、ゆでたらパスタのようになります。メインのおかずと一緒に炒めたり揚げたりできるし、鍋のしめにもなる。白玉などスイーツとしても活用できます。切り方や調理法を変えると、違う食感になるので、楽しく作れます」
おすすめアレンジレシピ:ちくわぶカルボナーラとちくわぶカヌレ
ちくわぶで簡単に作れる、おすすめのアレンジレシピを二つ、丸山さんに教えてもらった。
ちくわぶカルボナーラ
「レンチンでカルボナーラが簡単においしく作れます。ちくわぶのモチモチした食感はニョッキのようで、生クリームがなくても濃厚で本格的な味わいに。お子様にも喜ばれると思います」(丸山さん)
材料 1人分
◇ちくわぶ…1本
◇スライスチーズ…1枚
A ◇牛乳…100cc
◇ベーコンまたはハム…2枚程度
◇塩…ひとつまみ
B ◇バター…10g
◇卵黄…1個分
◇ブラックペッパー…お好みで
作り方
(1)ちくわぶは0.5~1cm程度に切り、耐熱容器か皿に入れる。
(2)ベーコンは細切りにしてAを(1)にのせたら、ラップをかけずに電子レンジで3分間加熱する。
(3)軽くかき混ぜて、スライスチーズをちぎってのせる。ラップをかけずに電子レンジでチーズが溶けるまで、1~2分間加熱する。
(4)Bを加えて混ぜ、ブラックペッパーを振ったら出来上がり。
ちくわぶカヌレ
「ちくわぶを調味料と一緒にフライパンで焼くだけで、外側はカリッ、中はモチッとしたカヌレに。カヌレの型がなくても、ちくわぶなら外見もリアルに再現できます」(丸山さん)
材料 3個分
◇ちくわぶ…2分の1本
A ◇バター…10g
◇ラム酒…大さじ2分の1~1
◇メープルシロップ…大さじ1
◇バニラエッセンス…適宜
作り方
(1)ちくわぶを3等分に切る。
(2)耐熱容器に(1)を入れ、ちくわぶが隠れるくらいまで水を入れる。
(3)(2)にふわっとラップをするか、ふたを少しずらして電子レンジで5分間加熱する。
(4)ちくわぶを取り出してフライパンに入れ、Aを加えたらフライパンを弱火にかける。
(5)ちくわぶの全ての面にAを絡めるように転がしながら、とろっとするまで煮詰める。少し焦げるくらいまで焼き上げて、表面がカリッとしたら出来上がり。
(読売新聞メディア局 長縄由実)



