福島県会津若松市のJR会津若松駅から鶴ヶ城方面に5分ほど歩いた場所に「鶴我会津本店」がある。地元産の新鮮な馬肉を使った馬刺しや桜鍋などの郷土料理が楽しめる店だ。
「桜刺し三種食べ比べ定食」で部位の違いを堪能
店長の物江潤さん(54)が一押しするのは「桜刺し三種食べ比べ定食」(2640円)。薄切りのモモ、やや厚めのロース、厚切りのヒレと、部位ごとの特徴を味わえる。物江さんは「この順番で召し上がって」と勧める。
モモはかむほどにうまみが広がり、ロースはかみ応えがある。そして、物江さんが「シャトーブリアン」と呼ぶ希少部位のヒレは軟らかく、口の中でほどけるようだ。物江さんは「異次元のうまさ。目隠ししたらまるで『大トロ』ですよ」と語る。
会津の食文化と力道山の逸話
馬刺しに、唐辛子を混ぜたみそやニンニクなどを練ったタレをつけて食べるのは会津地方の食文化。これには逸話があり、敗戦後の日本人を勇気づけたプロレスラー・力道山が1955年頃、地方興行で市内を訪れた際、持ち歩いていた辛みそをつけて食べたのが始まりという。「当時の会津に、馬肉を生食する風習はなかった。肉屋の人も驚いたのでは」と物江さん。
定食には馬肉のすじ煮のほか、「ガンパラ」と呼ばれるあばら骨でだしを取ったスープや、大動脈「ユビヌキ」を炒めた小鉢もつく。薄皮まんじゅうを油で揚げた「天ぷら饅頭」(418円)で締める。
物江さんは「この馬刺しを求めて全国からお客さんが来る。今後もその人たちを感動させたい」と意気込んでいる。



