第39期竜王戦1組4位決定戦が6月8日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われ、先手の斎藤慎太郎八段が羽生善治九段を破った。決勝トーナメント進出者最後の一人を決めるこの一戦は、朝から雨が降る中で始まった。
武豊騎手が将棋会館に登場
対局の昼食休憩中、競馬の武豊騎手(57歳)が竜王戦関連の番組撮影のために将棋会館を訪れた。前日の7日には安田記念で優勝し、GI最年長勝利記録を更新したばかりだった。武騎手は対局室で羽生九段と斎藤八段に笑顔で挨拶。羽生九段は「(訪問を)知りませんでした」と話した。ジャンルは異なるが、二人の生きる伝説が一瞬の交錯を果たした。
角換わりを武器にした斎藤八段
振り駒で先手を得た斎藤八段は角換わりを採用。最近は角換わりを指す機会が減っていたが、「ずっと使わないと採用するタイミングが難しくなる。今期に入ってタイトル戦を経験してみて先手番がイマイチだったので、作戦の引き出しが欲しかった。もう一度、角換わりを武器にしたいと思ったんです」と明かした。
羽生九段は棋聖戦と王位戦の挑戦者決定戦で惜敗しており、斎藤八段は「昨年、日本将棋連盟の会長を退任されてから、研究に余念がないように映ります。どの戦型でも最新形を指されていますし、最近の充実ぶりが棋譜から感じられます」と評した。羽生九段は「特別に何かが変わったわけではない。一局一局を一生懸命指した結果」と語っている。
羽生九段の工夫も実らず
図で指した△4四歩が羽生九段の工夫で前例を離れた。▲2九飛に△7五歩▲同歩△6五桂と仕掛けていく。△4四歩を入れずに△7五歩と開戦したのが今年3月の王将戦第6局だ。△4四歩を突くと仕掛けが一手遅くなるが、▲4五桂の反撃を消している意味がある。後手は8筋の歩を交換し、飛車を8三に引いた。▲7四歩の局面で昼食休憩に入った。



