NHKを退局し、フリーアナウンサーとして日本テレビ系報道番組「追跡取材 news LOG」のメインキャスターを務める和久田麻由子さんが、「“伝える”と“伝わる”は違う」という思いを語った。番組開始からまもなく5か月を迎える。
熊本地震特集で感じた「伝わる」瞬間
7月末に発生した熊本地震を特集した放送が心に残っているという。スタジオには熊本県八代市出身のバドミントン元五輪代表・陣内貴美子さんを招き、被災者の現状を伝えた。陣内さんは「うちはよかけん、あの人のところば助けて」「自分だけぬっか(暖かい)布団には寝られん」などと訴える被災者の声を紹介し、「きつか時にはきついと言っていい。我慢するのはよくない。本当に頼ってほしい」と番組を通じて呼びかけた。
和久田さんは「心からの温かい言葉でした。『伝わる』って、こういうことなんだ」と振り返る。
NHKと民放の制作姿勢の違い
古巣であるNHKの制作姿勢については「良くも悪くも初志貫徹」と表現する。いったん番組のコンセプトを定めたら、どんな困難があってもゴールを目指すという。一方、民放の番組作りには「柔軟性」を感じるとし、「視聴者の皆さんがどんな気持ちでテレビの前にいるのか。すごく敏感に感じ取っている」と話す。
「ぐるぐるナインティナイン」に出演した際は、お笑い芸人とともにダンスや大喜利を披露。優等生的なイメージとは違う柔らかな笑顔を見せた。新たな挑戦を恐れないのも、全力で伝えたいとの思いからだ。「どんな人間がニュースを伝えているのか。それをお目にかけることも、キャスターとして大切な要素」と力を込める。
等身大の自分を知ってほしい
「働きながら2人の子供を育てている女性。等身大の私を知ってもらいたい」と語り、伝え手としてさらに飛躍しようとしている。
インタビューでは10代の頃について「中高一貫の女子校に通い、6年間同じメンバーと濃密な時間を過ごしました。英語劇に打ち込み、夜な夜な男役用のスーツやお姫様ドレスをミシンで縫って。ミュージカル『メリー・ポピンズ』で主役を演じ、今でも劇中歌を子供に歌ってあげています」と回想。リラックス方法については「今もミュージカル鑑賞が趣味です。子育て中なのでなかなか行けませんが、東宝、劇団四季、宝塚と幅広く楽しんでいます」と明かした。
和久田さんは1988年11月25日生まれ、神奈川県出身。東京大学経済学部を卒業し、2011年にNHKへ入局。「おはよう日本」「ニュース7」などを担当し、「NHK紅白歌合戦」の司会も務めた。今年3月に退局し、今春からフリーで活動している。